突然ですがワインはお好きですか?
と、聞いておきながら私はあまりお酒を飲まないんですが・・・。
お酒にあまり詳しくない私でさえ知っている「ワインは身体にいい!」という話。
どこかで一度は耳にしたことありませんか?
ワインにはポリフェノールがたっぷり含まれていて老化防止や、動脈硬化・がん予防にも効果があり、アルツハイマーの予防にも良いらしい!
こんな話、ワイン愛好家には嬉しい情報ですよね。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/09/サイトキャラクター.png” name=”ワイン愛好家” type=”r”]お酒は好きだし、こんなに効果があるなら飲むしかないね[/voice]本当にそうでしょうか?いってもお酒なんですよ。
自分に都合の良い情報だけ鵜呑みにしていませんか?
お酒に詳しくない私ですが、健康というワードには人一倍反応してしまうタイプで、ワインのポリフェノールが本当に健康に効果のあるものなのか調べてみました。
ワイン愛好家の方もそうでない方も健康でいたいのはみんな同じですよね。
これからご紹介するのはワインの悪口ではありません!
ワインについての理解を深めましょうという話です。
そもそもワインの何が健康にいいと言われているの?
ワインが健康に良いイメージはあるけど、結局のところワインの何がどのように身体に良いか?
ということを、正確に答えられる人はどれだけいるでしょうか?
私は「これ、身体に良いから食べといた方がいいよ~」なんて言われたら、すぐに食べてしまうので、恥ずかしながらどの食べ物がどう身体に良いかなんて聞かれても答えることが出来ません。
(健康というワードには人一倍食いつくタイプなのに・・・。汗)
今、私に共感してくださったあなたの為にワインの何が身体に良いと言われているのか紹介させてください。
ワインに含まれる成分
ワインの中でも、特に赤ワインには色々な種類のポリフェノールが豊富に含まれています。
確かに赤ワインは造る際にブドウの皮もつかっているから、白ワインより色んな成分が含まれていそうですね。
[box class=”pink_box” title=”赤ワインに含まれる主なポリフェノール”]- アントシアニン
- タンニン
- レスベラトロール
- カテキン
これ、ぜーんぶポリフェノールなんだそうです!!
ポリフェノールって1つじゃなかったんですね。
カテキンなんて緑茶のイメージしかなかったので、ワインの成分に含まれていたとは意外な発見です。
もうお分かりかと思いますが上記の成分がどうやら身体に良い成分らしいのです。
では、どのような働きをしてくれるのでしょう?
ポリフェノールの主な効能
ポリフェノールに色々な種類があることはわかっても、結局どんな働きがあるのか気になりますよね。
ポリフェノールは抗酸化作用が強く、酸化したコレステロールなどの有害物質を無害な物質に変える働きをしてくれるのです。
コレステロールの酸化は生活習慣病の原因となるらしく、これを抑えてくれる作用があるという事は
ポリフェノールを摂取することで生活習慣病になるリスクを少しでも減らすことが出来るかもしれない!
ということなのです。
[box class=”pink_box” title=”抗酸化とは”]体内で活性化した酸素(活性酸素)が体内の細胞を侵食するため、さまざまな悪影響を身体にもたらす作用のこと [/box]
ここからは、先ほどご紹介したそれぞれの成分がどのように身体に働きかけるのか簡単にまとめてみました。
【ポリフェノールの成分 それぞれの効能】
- アントシアニン・・・視力回復
- タンニン・・・肌の引き締め、美白作用
- レスベラトロール 認知症の予防
- カテキン・・・殺菌作用、抗菌作用、抗ガン作用
ふむふむ、ここまで読むとやっぱりポリフェノールって身体に良さそう。
こんなに良いこといっぱいならワインをたくさん飲んで楽しく過ごせそう!
いま、そんなこと考えていませんでしたか?
ちょっと待ってください!
私、ポリフェノールの効果について気になる話を見つけてしまったのです!!
ワインと健康を結びつけたフレンチパラドックス
ワインに含まれるポリフェノールについて良いイメージが固まってきたところですが、
『French Paradox(フレンチ・パラドックス、フランスの逆説)』というワードは耳にしたことがあるでしょうか?
こちらは1990年代にフランスのレヌー博士らによって発表された論文で、
ワイン=健康に良いというイメージを世界に広めるきっかけになったものです。
[box class=”pink_box” title=”『French Paradox(フレンチ・パラドックス、フランスの逆説)』”]当時、チーズなどの乳製品や肉などの動物性脂肪を日常的に摂取する量が多いフランス人が、なぜか他の欧州諸国の人々と比べ悪玉コレステロールが少なく、心疾患にかかる人口が少なかったのです。
この理由をフランスのワイン消費量が欧州で1位という事実に着目し、ワインが心疾患につながる成人病を予防する効果があるかも!?という認識が世界に広まりました。
[/box]その数年後、赤ブドウに含まれるレスベラトールというポリフェノールに抗酸化作用があることが分かり、ワインが健康に良いという認識はますます広く知れ渡りました。
ここまで読むと、もうワインが百薬の長のように信じて疑わなくなりそうです。
私もそうでした。ワインて飲んだ方が身体に良いんじゃないか!?って。
でも、世界中に広がったフレンチパラドックス説を根底から覆す事実が分かったのです!!
ポリフェノールの効果なし!?気になる研究結果
フレンチパラドックス説を知ってから、ワインが健康に良いというイメージは確固たるものになりましたね!
ワインのポリフェノールの中でも心疾患の予防に効果があるレスベラトロールは優秀でしたね。
この成分のお陰でワインは健康イメージを勝ち取ったわけだ!!
ん・・・レスベラトロール!?
これこれ!!
このレスベラトロールについて気になるお話があるんです。
フレンチパラドックス説の崩壊
赤ワインのポリフェノールが健康に有意な効果を発揮するというフレンチパラドックス説ですが、
どうやら赤ワインに含まれている抗酸化物質のレスベラトロールに人を長生きさせる効果は見受けられなかったという研究結果が明らかになったそうです!
この研究結果については米国医師会内科学雑誌(Journal of the American Medical Association Internal Medicine、電子版)」に掲載されています。
ちなみにがんの発症とレスベラトロール濃度との間にも、特に関連性は見受けられなかったそうで・・・。
あれっ・・・。
フレンチパラドックスの健康神話が揺らぐ事態です。
それも追い打ちをかけるように次の話をご紹介!!
ポリフェノールの効果を得るのは実質無理?
ある文献によると、ポリフェノールの効果を得るためにはポリフェノール(レスベラトロール)2.5 gを毎日28日間摂取するのが良いとのことでした。
ふむふむ、2.5 gなんて小さじ半分くらいか〜。そんな少ない量で良いのか♫
それを約1ヶ月間摂取すれば良いなんて楽勝!!
こんな簡単に健康になれるなんて嬉しい!
そう思ったら大間違いです。
実は赤ワインに含まれるレスベラトロールは1リットルあたり、0.2〜5.8 mg程度。
なので、身体に有意な効果を得るためにはワインを一日に100本程度ずつ、それも毎日飲まないといけない計算になるんだそうです・・・。
一日に100本なんて物理的に無理ですよね。
それもお酒をそんなにたくさん飲んだら健康効果どころかアルコールの摂取し過ぎで逆に不健康になってしまいます。
そもそも、先ほどご紹介した話でレスベラトロールと長生きとの関連性はなかった訳なので飲む量の問題では無くなってくるのですが・・・。
ポリフェノールの研究者がデータをねつ造
ワインのポリフェノールの中でもレスベラトロールが効果を発揮することで、生活習慣病の予防になるという
ワイン=健康説
これがさらに危うくなるお話をご紹介します。
さっき、レスベラトロールの有意な効果を得ることが難しいって分かったばかりなのにまだ他にもあるの?
あるんです!!
それも、これこそワインのポリフェノール(レスベラトロール)が身体に良いという内容を根底から覆すものなんです。泣
[box class=”pink_box” title=”信じたくない事実 レスベラトロールの効能について、データの改ざんが発覚!”]レスベラトロールの効能について多くの論文を著していた米コネチカット大学心臓血管研究所の所長であるディパク・ダス教授が論文中のデータをねつ造していたことが判明したそうです!!
問題となったデータの改ざん・ねつ造は実験記録の画像イメージから多く見つかったそうです。
参考:J-CASTニュース
[/box]
一度は世界から脚光を浴びたワインのポリフェノール(レスベラトロール)ですが、
そのデータが改ざんされたものじゃあ、結局の生活習慣病の予防に効果があるのか分からなくなってしまいました・・・。
そうしたらワインは「健康にどの程度良いか分からないアルコール飲料」という事になりますね。
えっ・・・ただのお酒に格下げ!?
あんなに健康エピソードがあったのに。涙
もうこうなったら、ワインのポリフェノールが身体に良い効果をもたらすというイメージを捨てて、ただの美味しいお酒として節度をもって楽しむことにしませんか?
ワイン以外でポリフェノールを取りたいならこの食品
ワインのポリフェノールが身体に良いかどうか分からなくなってきた今、
ワインを健康づくりで取り入れていた人は路頭に迷っているのではないでしょうか?
大丈夫です!
ポリフェノールには5000を超える種類があります!
レスベラトロールが健康のすべてではありません。
ポリフェノールは色々な食材に入っているので、ひとつの食材ばかり食べるのではなくて色々なものを少しずつ食べるのが理想的なのではないでしょうか。
【ここでポリフェノールを多く含む食材をご紹介】
- ブルーベリー、なす、カシス・・・アントシアニン (視力回復)
- そば、かんきつ類、玉ねぎ・・・ルチン (脳卒中予防)
- 豆類・・・イソフラボン (更年期症状の緩和)
- チョコレート、ココア・・・カカオポリフェノール (動脈硬化予防)
- 緑茶、紅茶・・・カテキン (殺菌作用、抗菌作用、抗ガン作用)
こう見てみると結構いろいろな食材にポリフェノールが含まれていることが分かりますね。
チョコレートにも入っているなんて、
「たくさん食べたいー!」と思ってしまいそう。
でも、ワインにアルコールが入っていて飲み過ぎ注意なのと同様で、
チョコレートには砂糖が「これでもか!!」と言うほど入っているので、やはり食べ過ぎはやめた方が良さそうですね。
まとめ
ワインについてのイメージが変わった方も多いのではないでしょうか?
今回は以下のことについてご紹介しました。
- ワインに含まれるポリフェノールには種類も効能もたくさんある
- ワインと健康を結びつけたフレンチパラドックス
- ポリフェノールの中のレスベラトロールに健康との因果関係なし
- ポリフェノールの効果を得るのは実質無理
- ポリフェノールの研究者がデータをねつ造
- ワイン以外でポリフェノールを含むおすすめ食品
ワインは健康に良いからどんどん飲もうと思っていたあなた、今一度お酒の飲み方について考え直してみませんか?
きっと適度な飲み方の方があなたの心にも身体にも良いはずです。