9月1日が何の日かご存知ですか?
答えは「防災の日」です。
9月上旬頃になると、避難訓練を実施する学校や企業が多いですよね。それは、いつ何時災害が発生しても自分の身を守れるよう、心構えをするためです。確かに定期的に避難訓練を行うことで、気持ちが引き締まっていた気がします。
でも、それならなぜ9月1日なのでしょうか? 他の日でもよかったはずですよね。
そこで今回は、なぜ9月1日が防災の日になったのか、その意味やきっかけをご紹介したいと思います。この記事が防災意識を高めるきっかけになれば嬉しいです!
防災の日が制定されたきっかけ
9月1日が防災の日に制定されたのは、昭和35 (1960)年6月11日に遡ります。きっかけとなった出来事は以下の3つです。
関東大震災
1923年9月1日に発生した関東大震災が最も大きな理由となっています。被害の規模は日本最大級で、10万人以上の死者や行方不明者が出た災害です。この悲惨な災害の経験から、防災意識を高めることを目的に制定されたのが防災の日です。
伊勢湾台風
1959年9月末に発生した伊勢湾台風も理由のひとつです。こちらも5千人以上の死者が出るほどの災害でした。1959年と言えば、防災の日が制定される前の年ですよね。関東大震災に続いて起こった伊勢湾台風。同じ9月ということもあり、防災の大切さが根強くなった出来事でした。
二百十日
9月1日は暦で二百十日(にひゃくとおか)にあたり、農家の三大厄日とも言われています。なぜかというと、昔から台風が発生しやすい日として知られていたからです。
この3つの出来事から、災害に対する心構えとして防災の日が制定されました。
更に理解を深めるために、当時の官報をご紹介しますね。官報とは、政府が国民へ向けて日々刊行する、国家の公告文書のことです。
「政府、地方公共団体など関係諸機関はもとより、広く国民の一人一人が台風、高潮、津波、地震などの災害について、認識を深め、これに対処する心がまえを準備しようというのが、『防災の日』創設のねらいである。もちろん、災害に対しては、常日ごろから注意を怠らず、万全の準備を整えていなければならないのであるが、災害の発生を未然に防止し、あるいは被害を最小限に止めるには、どうすればよいかということを、みんなが各人の持場で、家庭で、職場で考え、そのための活動をする日を作ろうということで、毎年9月1日を『防災の日』とすることになったのである」
昭和35年9月1日発行
防災意識は常に持っておくべきだけど、それだけでなく実際に行動を起こそう!という想いが込められているんですね。
何も起こらず、無事に1日を終えられることは奇跡ですよね。そう分かっていながらも「自分は大丈夫だろう」という油断が心のどこかにまだあります。恥ずかしながら我が家は防災バックすら準備できていません…
でもそれではいけないですよね。自分や大切な人の命を守るためにも、しっかりとした準備と心構えが必要なんだと改めて考えさせられました!
その他の防災の日
災害と言っても地震や火災など内容は様々ですよね。実は防災の日は9月1日だけではないんですよ。他の主な防災の日も見てみましょう。
- 1月17日 防災とボランティアの日
- 1月26日 文化財防火デー
- 3月1日~7日 火災予防運動・車両火災予防運動・建築物防災週間
- 5月(北海道のみ6月) 水防月間
- 6月 土砂災害防止月間
- 7月 全国安全週間
- 8月25日~31日 道路防災週間
- 8月30日~9月5日 建築物防災週間
- 9月9日 救急の日
- 11月5日 津波防災の日
- 11月9日 119番の日
- 11月9日~15日 火災予防運動
- 12月1日~7日 雪崩防災週間
ほとんど毎月何かしらの防災の日が決められていますね! 11月が火災予防、12月が雪崩といったように、季節特有の災害を意識する良いきっかけになりますね。
防災の日の全国の取り組み
防災の日を含む1週間を防災週間として、全国で様々な取り組みが行われています。一般の方が参加できるイベントも多く、全国で同時刻に一斉に避難訓練を行うイベントや遊びながら防災を学べるお子様向けのイベントなど各地内容は様々です。
TEAM防災ジャパン 「防災関連イベント一覧」(参照2018年8月)
「身近なもので揃える家庭の防災~女性の視点で防災を考えてみよう!~」というイベントもあるようで、100円ショップやスーパーなどで揃えることができる防災グッズなど、女性視点で学ぶことができるそうです。
私もそうですが、「災害に備えるといっても、何からやったら良いのか分からない」という方も多いと思います。そのような方は一度防災イベントに足を運んでみるのもおすすめです。実際に災害を経験した方の話を聞けるイベントもありますから、とても勉強になると思いますよ!
防災への備えを万全に
いつ起こるか分からない災害だからこそ、準備は万全にしておきたいものです。用意しておくと良いものをまとめてみました。
防災グッズ(非常用持ち出しバック)
災害が起こった時すぐに持ち出せるよう、必要最低限のものは用意しておきましょう。また、すぐに避難できるように、バックはサッと持ち出せる場所に置いておきましょう。クローゼットなど取り出しにくい所ではなく、玄関やリビングなど目につきやすい場所がおすすめです。
まず、防災グッズには3種類あります。
- 常に持ち歩くもの
- 災害後すぐに持ち出す短期的な避難用グッズ
- 3日分程しのげる長期的な避難用グッズ
準備の段階でこの3種類に分けておきましょう。
防災グッズの詳細はこちらからチェック! 日本赤十字社「非常時の持ち出し品・備蓄品チェックリスト」
お子さんや高齢者の方がいる場合は、持ち物も注意が必要です。1日の生活の流れを想像しながら用意すると良いかもしれません。
食料、飲料の備え
最低でも3日分、可能なら1週間分くらいを用意しておくと安心です。ガスが使えなくなった場合を想定してガスコンロを用意しておくと良いでしょう。特に「水」は大切です。生命維持に必要な「飲用」「衛生環境」のためです。
家族同士の安否確認方法、待ち合わせの場所
通信機器が使えなくなった場合や携帯を持っていないお子さんのためにも、災害が起こった際の待ち合わせ場所を予め決めておきましょう。
また、共通の安否確認方法を決めておくことも大切です。2011年に起こった東日本大震災の時、インフラは全滅。電話やメールはほぼ使えなかったそうです。その教訓をもとに各通信事業者が対策に乗り出し、今ならインターネットであればほとんど問題なく使えるそうです。
ちなみに、LINEができるきっかけを作ったのも東日本大震災です。この災害をきっかけに、社員の方がコミュニケーションの重要性を改めて感じ、本当に必要な機能のみを残したメッセンジャーサービスが生まれました。
実は「既読」機能は安否確認のために作られたものなんですよ。返信ができなくても、既読になれば生存確認ができますからね。「既読スルー」はちょっと悲しいですが、災害時に”生きている”ことが確認できるのなら、すごく嬉しいですよね! (笑)
避難場所や経路の確認
公園や公民館などに避難場所や経路が書いてある看板がよくありますよね。いざという時に慌てないためにも、常日頃からチェックしておきましょう。
私は地図に非常に弱いので、引っ越してきたばかりのころ実際に足を運んで避難場所を確認しました。実際に行ってみることで、道の特徴や距離感がつかめたのが非常に良かったです!
危険な場所を事前に確認
ハザードマップを利用しましょう。ハザードマップとは、自然災害による被害を想定して、災害が想定される区域や避難場所・経路を表示した地図のことです。
各地域のハザードマップはこちらから確認してくださいね。
国土交通省 「わがまちハザードマップ」
火災保険
自然災害の備えとして「火災保険」というものがあります。ほとんどの方が住居の賃貸契約の際に加入を勧められますよね。
こちらの保険、文字だけ見ると火災にしか対応していないようですが、地震や風水害、落雷や台風も対象になるんです。ただし、保険の対象が「建物」のみになるのでご注意くださいね。
まとめ
- 9月1日は防災の日
- きっかけになった出来事は「関東大震災」「伊勢湾台風」「二百十日」
- 年間を通じて様々な防災の日がある
- 防災週間では全国的に取り組みが行われている
- 防災グッズを準備しよう
- 「水」の確保は特に大切
- 家族間の安否確認方法を統一しておこう
- ハザードマップを利用しよう
- 火災保険もおすすめ
近い将来、大規模な地震がくると予想されていますよね。びくびくする必要はないですが、常に危機感を持っておくことも重要です。大切な人の命を一人でも多く救うために、万全の準備をしておきましょう。