破魔矢は正月の縁起物や男の子の成長をお祝いするための道具なのよ。折角だから飾りましょう![/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”]
こういった風習はよくわからないけど、飾り方とかのルールってあるのかな。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]
もちろんよ!わたしが説明するから一緒に飾りましょう![/voice]
神様の力の宿る神具である破魔矢は「魔除けの矢」とされています。
近年はお正月に神社で授かることが多いようですが、もともと縁起物であったことから子供の成長や商売繁盛などを祈願するためにも飾られることがあります。
そのため、孫へのお祝いに祖父母から贈答されることがありますが、どのように飾れたばいいのか。また、いつまで飾ればいいのかよくわかっていない方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな破魔矢の飾り方から返納(処分)方法までをご紹介します。
破魔矢とは
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] そもそも破魔矢ってなんて読むの?[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]『はまや』って呼ぶのよ。ちなみに一般家庭では破魔弓のみが飾られることがよくあるけど、弓と矢は一体で、破魔弓『はまゆみ』と呼ばれる弓と一緒に飾ることもあるの。
これは、弓で射て初めて浄化する効果があるためともいわれるわ。[/voice]
まず、破魔矢は『はまや』と呼ばれます。一般的には破魔矢のみがよく飾られますが、弓で射て初めて浄化する効力があるため破魔弓『はまゆみ』と呼ばれる弓と一緒に飾ることもあります。
しかし、破魔弓は神や神主など破邪の能力を有する者が持つとされているため、破魔矢のみを飾ります。
そもそもなぜ、破魔矢と呼ばれる矢を飾る文化があるかというと、日本では古来から呪術に対する破魔『はま』からきています。
そのため、邪魔が発する邪気・邪意・邪道・邪心等の妖気を浄化するための道具であるため、破魔矢の先端は丸みがあり、先端が尖っていません。
※呪術:神様などの超自然現象を用いて相手を呪いなどをかけること。
※破邪:妖気(邪気・邪意・邪道・邪心等)を浄化すること。
ちなみに、破魔矢の名前の由来は、正月に行われていた意念の吉凶(特に作物の豊凶)を占う神事として、破魔打『はまうち』と呼ばれる神事に由来があります。(※諸説あり)
破魔打では、子供たちに弓矢を渡し、的を射ぬくことで、吉報を占います。
そこで、破魔打に使われる弓を破魔弓、破魔打に使われる矢を破魔矢といいます。
※破魔矢・破魔弓の由来については諸説あります。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”]本当だ!お義父さんから貰った破魔矢の先端も丸くなってるね。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]
破魔矢の意味を理解できたことだし、次は破魔矢の飾り方を説明するわね。[/voice]
破魔矢の飾り方
破魔矢の飾り方について神社によって多少の差がありますが、基本的なルールがあります。
破魔矢の置き方
破魔矢は神具ですので、可能であれば神棚に飾ることがベストです。
また、矢は上向きに飾るものとされています。しかし、破魔矢に「招福祈願」などの願い事が書いてあり、文字が逆さまになってしまう場合は、矢が下向きになるように飾っても大丈夫です。
[box class=”blue_box” title=”神棚がない場合”]賃貸やマンションなどの場合、神棚がない家もあると思います。
神棚でなくても問題ありませんが、次のことに注意しましょう。
- 書棚やタンスなどの上に飾り、自分の目線より上になるようにする。(自分の目線より下の場合、神様を見見下したことになります)
- 明る清潔な場所にする。(壁に掛けたいところですが、それが難しい場合は、神棚に飾るように半紙を敷きその上にかざるとよいでしょう)
破魔矢の飾り方に絶対的な決め事はありません。
だからといって適当に置くというのは神様を蔑ろにしていることと同じです。大切なのは気持ちですので、心をこめて飾りましょう。
破魔矢の置く方角
破魔矢を置く方角にはおおむね3つの置き方があります。
どれが一番正しいというわけではありませんので、自分の考えにあった置き方をしましょう。
一年の凶の方角に向ける
破魔矢は邪魔を打ち払うものですので、その年の凶の方角に向けるとよいとされています。
では凶の方角がどのように決まるのでしょうか。
それは『方位吉凶図』と呼ばれる干支と方角記された図にって定めらています。
今年がねずみ年(子年)であれば北が吉となり、反対の方角であるうま年(午年)の方角である南に矢を向けるとよいされています。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”]毎年方角が変わるから飾るときにチェックしないとね。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]
ちなみにコンパスと方位吉凶図が一体になったものを売ってるので、興味があれば買ってもいいかもね。[/voice]
南・東に向ける
お札(おふだ)と同じように南または東の方角に矢を向けるのがよいともされています。
なぜお札を南または東に向けて飾るのかというと『南は日中太陽が輝く場所、東は太陽が出る場所』とされているからです。ただ、太陽は天照大御神を表すに用いられます。そのため天照大御神に矢の先を向けるのは良くないという説もあるそうです。
気になる方は授与された神社で確認するのが良いでしょう。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]ここはその神社の考え方が大切なので、授与されたときに南・東の方角に飾ってよいか確認するのが一番ね。[/voice]
鬼門・裏鬼門に向ける
鬼門『きもん』とはその名の通り「鬼(邪気)の出入りする方角」を意味します。
もともとは古代中国の考え方ですが、日本では安倍晴明で知られる陰陽道や神道、怨霊信仰などの影響を受けて、不吉な方位として徐々に広まりました。
そして鬼門はさきほどの方位吉凶図でいうと『丑寅(うしとら)』の方角である北東となります。
また、鬼門の反対方向にある『未申(ひつじさる)』の方角である南西が裏鬼門となります。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”]つまり、北東か南西に矢を向ければいいんだね。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]
正解!ただこの飾り方は上棟式でよく使われる飾り方なので、一般的には『一年の凶の方角』か、『南か東向き』がいいかな。[/voice]
破魔矢を飾る時期
破魔矢の飾り方でも少しお話しましたが、破魔矢に様々な説があります。そのため飾る時期によってもその意味合いが変わってきます。
お正月
初詣のときに神社で破魔矢を授かることができますが、その目的は以下のとおりです。
- 正月に飾り1年の厄除けを祈願する
- 正月に飾り1年の招福を祈願する(幸せを射止めるという意味です。)
飾り方に決まりはないけど、1年の厄除け・招福祈願なので、その年の凶の方角に向けるのがいいわね。[/voice]
男の子の初正月や初節句
初節句に破魔矢を送り、男の子の健やかな成長を願うという意味も込められています。
なお、初節句だけでなく、初正月に送るという風習もあります。
※初節句、初正月は子供が生まれて初めて迎える端午の節句、正月を意味します。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]その年の凶の方角に向けるか、お札と同じく南か東の方角に飾るのがいいわね。[/voice]
上棟式・地鎮祭
家やマンション、ビルなどの建物を新しく建てる時の上棟式や地鎮祭に厄除け祈願として飾ります。ちなみに上棟式などは凶日を避け、吉日に行います。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]この場合は鬼門(北東)か裏鬼門(南西)に飾るのがいいわね。[/voice]
破魔矢の返納(処分)
極端な話、破魔矢はゴミとして処分することが可能です。しかし、縁起物ゆえゴミとして処分するのは気が引けますよね。
一般的には神社への返納か、お焚き上げで燃納するのがいいでしょう。
神社への返納
破魔矢はお札と同じく神社の境内にある納札所(古札所ともいいます)に返納することが可能です。
納札所がない神社であっても社務所へ行くと引き取ってくれます。
どちらの場合も 返納のための初穂料(玉串料) を納めましょう。
初穂料の金額は明確にはありませんが、数千円はすると思います。物によっても変わってくるので、返納の際に神社に確認してみましょう。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]神社に返納する場合、必ずしも破魔矢を授与された神社でなければならないということはありませんが、違う神社の場合だと断られることがあります。[/voice]
燃納祭(お焚き上げ・どんと焼きなど)での供養
破魔矢等のお札は小正月(1月15日)のどんど焼きやお焚き上げにて焼納という方法もあります。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]返納と違い、どんど焼き・お焚き上げをする日は決まっているので予め計画しておく必要があるわよ。[/voice]
まとめ
- 破魔矢は神棚に飾る。神棚がない場合は目線より高く綺麗な場所に飾る。
- お正月や初節句のときの破魔矢はその年の凶の方角もしくは南か東向きに飾る。
- 上棟式・地鎮祭のときの破魔矢は鬼門(北東)・裏鬼門(南西)の向きに飾る。
- 飾った破魔矢は神社へ返納もしくは燃納する。
神事のための道具である破魔矢。
その歴史は古くさまざまな由来があります。
いろいろな決め事がありますが、一番大切なのは気持ちです。
神様が力を授けて破魔矢を無下に扱わず、神様を敬う気持ちで飾り付けをしましょう。ご利益を得ましょう。