夏の思い出の1つに蚊による虫刺されって誰もがあるのではないでしょうか。
そんなとき役に立つのが蚊取り線香!
いまは液体タイプのものもありますが蚊取り線香としてイメージするのが緑色の渦巻き型ではないでしょうか。
今回はそんな渦巻き型の蚊取り線香の謎を解説します。
蚊取り線香が渦巻になった理由
蚊取り線香はおよそ1890年(明治23年)、上山英一郎氏によって発明されました。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] ちなみに、この上山英一郎氏は殺虫剤でお馴染み金長(キンチョー)の商標でしられる大日本除虫菊の創業者なのよ [/voice]そして、蚊取り線香が誕生した当時は今のような「渦巻き」ではなく、「まっすぐな棒状」でした。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] まさにお線香だったんだね [/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] だけど、「まっすぐな棒状」のお線香にはさまざまな問題点があったの [/voice]
渦巻き型の理由はヘビにあり!?
初めの蚊取り線香は名前のとおり仏壇に供えるお線香をヒントに作れたものでした。
当時の蚊取り線香は長さ20cmで、燃焼時間は約40分で燃え尽きてしまうものでした。
また、蚊取り線香の直径も細かったため、蚊取りの効果を得るためには同時に3本くらい焚く必要がありました。
そのため日中に使用するにはいいけれど、睡眠中には役に立たないという欠点があったのです。
また、長細い形状のため、風や振動で折れやすく火災の可能性もいまより高かったといわれています。
蚊取り線香が誕生してから5年後、発明者である上山英一郎氏の妻が「庭で蛇がとぐろを巻いているのを見て渦巻型にするべき」とのアドバイスが現在の渦巻型の蚊取り線香のヒントになったそうです。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] 内助の功が100年以上も変わらない形をつくったのよ![/voice]渦巻き型で燃焼時間が長くなった
ほどなくして、渦巻き型の蚊取り線香の開発が始まりました。
当初は1本ずつ手で巻き上げる製造方法だったそうですが、効率が悪かったそうです。
いろいろ試行錯誤しながら、60cmのうどん状の素材を2本並べて丸めていく「ダブルコイル」方式の製造方法にたどりつきました。
そして、次第に手巻きから機械打ちで製造されるようになり1巻60cmから75cmに長くなりました。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] なんで75cmなのかな? [/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] 燃焼時間は10cmで約1時間のため、7時間30分のあいだ蚊取り成分がでてるの [/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] 7時間30分というとだいたい睡眠時間ぐらいだね [/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] そう!それを考慮しての75cmとのことよ[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] また、渦巻き型の蚊取り線香を合わせて1つの丸型にすることで、折れにくく、かさばりにくくなったことで、一度に輸送できる量も増えたのよ[/voice]蚊取り線香が蚊に効く理由
蚊取り線香が渦巻の理由について解説してきましたが、そもそもなぜ、なぜ蚊を撃退することができるのでしょうか。
次は、蚊取り線香が蚊に効く理由についてご紹介します。
殺虫剤と同じ成分が含まれている!?
それは除虫菊と呼ばれるキク科の白花虫除菊(シロバナムシヨケギク)の胚珠に含まれるピレトリンやピレスロイドという成分がお線香に練り込まれているためです。
ちなみに、このピレスロイドという成分は蚊取り線香以外の殺虫剤にもよく入っている成分になります。
このピレスロイドは、も虫の体表(皮膚)から体内に入り、神経を攻撃して虫を興奮させ、やがて痙攣を起こしマヒ状態となり、最終的に死に至るのです。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] ちなみに蚊取り線香の煙の中に殺虫成分が入っていると思うかもしれないけど、実は燃えている先端から5~8mm手前の部分から出ているのよ。なので、煙の届く範囲と、有効成分が届く範囲は少し違うので注意が必要ね [/voice]
蚊取り線香の効果範囲と最適な置き場所
商品にもよりますが蚊取り線香の効果範囲は、蚊取り線香を中心とした半径2.5m程度とされています。
なお、蚊取り線香の効果範囲は利用者の工夫しだいで広げることができるので、覚えておくといいかもしれません。
玄関や窓 | 蚊が侵入するだろうと予測出来る場所に置くと室内の侵入を防げるので効果的です。 |
風上 | 玄関や窓にも共通しますが、屋外や風通しの良い風上におくと成分が風に乗って広範囲に届きます。 |
水の溜まっている場所 | 蚊は水たまりに産卵するので、植木鉢や家庭菜園など水たまりのできやすい場所に置くと効果的です。 |
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蚊取り線香は他の虫にも効くのか?
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] 蚊取り線香は蚊以外の虫にも効果があるのかな? [/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] 蚊取り線香も殺虫剤(ピレスロイド)と同じ成分が含まれているため、他の虫にも効果があるわ [/voice]ただ、すべての虫に一様に効果があるというわけではありません。
蚊のように小さなコバエなどには同様に効果を発揮するようですが、ゴキブリなどの体の大きな虫には効果が薄くなります。
ですが全く効果が無いというわけではないので、多少の忌避効果は期待できるかもしれません。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] これで虫の多い夏を快適に過ごせるね! [/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] ただし!1つ重大なポイントがあるわよ!それは「飼育している昆虫や爬虫類にも殺虫成分が効いてしまう」ということよ。[/voice]
夏と言えば子供たちがカブト虫やクワガタ、スズムシなどの虫を飼育する家庭も多いはず。
そういった虫にも区別なく効いてしまうので、蚊以外の虫を飼育している場合には近くで蚊取り線香を焚かないようにしましょう。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] 虫ではないけど、トカゲやカエルなどの爬虫類・両生類にも影響を与えてしまう場合があるため、こちらも注意が必要よ [/voice]蚊取り線香の人体への影響はあるのか?
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] 殺虫剤と同じ成分を持つ蚊取り線香を何時間も焚いたら人体にも被害があるんじゃないの!? [/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] 大量に吸い込んだら話は別だけど、基本的には大丈夫よ[/voice]虫にはよく効く蚊取り線香(ピレスロイド)も、人間や恒温動物(体温を一定に保つ動物)に対しては、体の中で速やかに分解し、無毒化され、体外に排出されてしまうので安全です。
それは人間や恒温動物が持っている酵素の働き(解毒)があるからです。
昆虫にもこの働きはありますが、その働く力が弱いため、殺虫効果が期待できるのです。
[box class=”blue_box” title=”選択毒性”] 恒温動物には効かないけど、昆虫には効く、このような特定の相手に効果があるものを「選択毒性」といいます。
選択性を持っているのはピレスロイドだけで、農薬などに使用される有機リン系や有機塩素系の殺虫剤は選択性が無く、温血動物の体内で分解されにくいため、人体への影響がピレスロイドよりも高くなります。
[/box]
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]
選択毒性のピレスロイドを含んだ蚊取線香だから、燃焼時間中絶えず一定の有効成分を空中に連続的に放出しても、人体に影響を与えず殺虫効果を保つことができるのです。 [/voice]
だからと言って、閉め切った部屋で大量に吸い込むなどの行為をすると酵素による解毒が追い付かず吐き気やめまいなどの中毒症状を起こすことも稀にあります。
まとめ
- 蚊取り線香は最初は真っ直ぐだった!
- 発明者の妻が「ヘビがとぐろを巻いている」のを見たのが渦巻き型のヒントになった
- 渦巻き型にすることで、線香を長くしても折れにくく、一度に大量の蚊取り線香を輸送できるようになった
- 蚊取り線香は蚊以外の虫にも効果がある!ただし、大きい虫には効きにくい
- 蚊取り線香を人が吸い込んでも酵素にり解毒されるため体への影響は少ない
虫よけ対策として、今ではスプレーやリキッドタイプ、電気式などさまざまタイプが販売されていますが、渦巻き型の蚊取り線香も同じ成分であるため効果はほぼ同じです。
今年の夏は玄関先や窓先に、蚊取り豚を置いて夏の風情を楽しんでみてはいかがでしょう。
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