「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがありますが、お彼岸を過ぎると、急に季節が変わってくるのを感じませんか?
先日、春彼岸のお墓参りに行くと、木々の芽吹きや膨らんできた花芽に春を感じました。
風も心地良かったので、少しのんびりとお墓参りしていると、久しぶりにいとこに会いました。
いとこが持参したお供え物を見て・・・
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]おはぎ、美味しそうね![/voice][voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/女性社員ほほえみ.png” name=”いとこ” type=”r”]おはぎじゃなくて、ぼたもちよ(笑)[/voice] [voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/驚き.png” name=”かな” type=”l”]えっ?・・・[/voice] 恥ずかしくなってしまいました。おはぎとぼたもちって何が違うのだろう?
そういえば、子供の頃は何も考えずに食べていたけれど、お彼岸の時にしか出てこない料理だったなぁ。
けれど、季節の大切な食べ物ですよね。
子供たちにも意味を教えられるようにしたい!
今回は「おはぎとぼたもちの違い」について、調べてみました!
おはぎやぼたもちって、どんな食べ物?
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おはぎ、ぼたもちとは、お餅のような中身に餡をまぶしたものです。
料理というよりは、和菓子として親しまれています。
中身は何でできているの?
- もち米とうるち米
- もち米のみ
どちらかの材料を「蒸す」または「炊く」。
その後、米粒が残る程度に軽く潰して丸めます。
お米を半分潰すことから「はんごろし」と呼ばれることもあるそうです。
餡はどんなもの?
多くは、小豆を煮て砂糖を加えて練ったものです。
こし餡とつぶ餡があります。
小豆の他にも、きな粉、ずんだ、青のり、ゴマを使って作ることもあります。
いつ食べるもの?
お彼岸には欠かせないお供え物ですよね。
でも実はそれだけではなく、法要・寄り合いの際に出されたり、おやつや来客時のおもてなしなど、普段の和菓子と同じように食されるものなんです。
お彼岸とはいつ?
彼岸とは、春分と秋分を中日とし、前後3日の7日間を指します。
春分の日、秋分の日と呼ばれる祝日の事ですが、季節の移り変わりを的確につかむための特別な日の事です。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]ご先祖様に感謝する、仏教の儀式なのよね[/voice]最初の日を「彼岸の入り」と言い、最後の日を「彼岸明け」と言います。
なぜお彼岸にお供えするの?
お彼岸に「おはぎ・ぼたもち」をお供えする理由は諸説あるそうです。
- 小豆の赤い色には魔よけの効果があると信じられていて、邪気を払う食べ物として供えられた。
- もち米とあんこの2つの物を「合わせる」ことから、ご先祖様と自分たちの心を「合わせる」という意味があった。
- 昔は砂糖がとても貴重で、甘いものは誰でも食べられるというものではなく、高級品である砂糖を使うことで感謝の気持ちを表した。
など、様々な由来があるようです。
作り方も手間がかかる物ですから、手間と心を込めて作ることに感謝の意味があったのでしょうね。
おはぎとぼたもちの違いって何?
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]一つの料理なのに、違う名前がついているのはどうしてだろう?[/voice]歴史
おはぎやぼたもちは古く、平安時代には登場しているそうです。
元々、もち米と小豆を炊いたもので甘くなかったそう。
小豆は縄文時代の古墳から発見されるほど、日本人の生活に欠かせないものだったのですね。
小豆が赤いことから、魔除けの力があると信じられ、お祝いや儀式の際に使われていたのだそうです。
江戸時代になると、庶民に親しまれる和菓子として書物にも登場しています。
この時代から、お彼岸や四十九日の忌明けに食べるという風習が定着しました。
季節との関係
春はぼたもち
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春に咲く「牡丹の花」に見立て、牡丹餅(ぼたんもち)が変化して【ぼたもち】になったと言われています。
収穫から時間の経った小豆を使って作られるので(前年度のもの)、小豆の皮が固く、そのままあんこにすると皮が口に残ることから小豆の皮を取って作った「こし餡」を使っているものを言います。
秋はおはぎ
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秋の七草の一つで、秋に咲く「萩の花」が小豆の粒と形が似ていることから付けられたと言われています。
お萩餅(おはぎもち)を略して【おはぎ】となったそうです。
収穫されたばかりの小豆を使って餡を作るので、小豆の皮が柔らかいため「つぶ餡」で作ったものです。
夏と冬の名前も存在する
あまり知られていませんが、実は四季それぞれに名前が付けられているんです。
夏・・・「夜船(よふね)」
餅と作り方が違うため「ペッタン、ペッタン」と音を立てずに搗くことができ、隣人に悟られず作ることができることから
「搗き知らず」(いつ餅をついたか分からない)→「着き知らず」(夜は暗くて船がいつ着いたか分からない)という言葉遊びから生まれたそうです。
冬・・・「北窓(きたまど)」
夏と同じ言葉遊びから
「搗き知らず」→「月知らず」(月を知らない、月が見えないのは北側の窓)ということからきているそうです。
地域との関係
大まかな分類は季節によって変わる呼び名ですが、地方や地域によって様々な違いがあります。
- もち米が主の物が「ぼたもち」、うるち米が主の物が「おはぎ」
- 春秋ともに「おはぎ」と呼ぶ(大阪府、広島県など)
- 春秋ともに「ぼたもち」と呼ぶ(岩手県、岐阜県など)
- 小豆餡を使ったものが「ぼたもち」、きな粉を使ったものが「おはぎ」
- つぶ餡が「ぼたもち」、こし餡が「おはぎ」(本来の意味と逆)
- 二口程度で食べられる小さいサイズのものを「おはぎ」、大きいものを「ぼたもち」
- おはぎ、ぼたもちとは言わず「ふちゃぎ」と呼ぶ(沖縄県)
- おはぎ、ぼたもち以外に別名がある(佐賀県のさなぼり、宮崎県のいのこもち、他)
- こし餡のおはぎを「皆殺し」つぶ餡のおはぎを「半殺し」と呼ぶ(福島県、他)
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]地域差って、本当にいろいろなのね![/voice]
昔は名前を分けて使っていた地域でも、現代では総称して「おはぎ」と呼ぶことが多くなっています。
和菓子店等で販売されているものも、年中「つぶ餡のおはぎ」「こし餡のおはぎ」というように販売されている所が多いようです。
変わりおはぎ・変わりぼたもち
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3色おはぎ、5色おはぎといったように、小豆餡以外の餡を使ったおはぎが存在します。
また鳥取県の一部では、もち米とサツマイモを一緒に炊いてすり潰す手法の独特なぼたもち「いもぼた」というものもありますし、福井県では里芋で作る「いもぼた」も存在します。
最近では、ネットのレシピサイトに新作の変わりおはぎも登場していますが、昔から存在する変わりおはぎもあるんですよ。
ごま(東日本)、青のり(西日本)、ずんだ(宮城県)、栗(岐阜県)が主なものです。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-7.png” name=”かな” type=”l”]変わりおはぎも食べてみたい!![/voice]まとめ
- 季節によって違う
- 地域によって違う
- 餡の種類によって違う
調べてみると、本当に奥が深いことが分かりました。
特に地域性が一番の違いで、市町村によって呼び名が変わることがあるようです。
それにしても、一つの和菓子に様々な呼び名をつける、日本人は本当に風流ですよね!
最近は、おはぎやぼたもちを作る風習も減ってきていて、ス-パーやコンビニでも簡単に手に入ります。
季節を問わず「おはぎ」として売っていて、いつでも食べることができますが、都会では一度も食べたことがないという人の割合が少しずつ増えているんだとか。
私は子供の頃から大好きで、「特別な食べ物」と思ってきましたが、小豆を煮るのが苦手で実は何度も失敗して手作りが苦手です・・・。
でも、子供たちに食べさせてあげたいので、今度は美味しいおはぎの作り方を勉強しようと思います!
その際、またお会いしましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。