皆さんは「暑気払い」という言葉をご存知でしょうか。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性うれしい.png” name=”夫” type=”r”]「しょきばらい」だよね。よく夏の時期になると会社で「暑気払い」っていって飲み会をやってるよ。[/voice](正直、私は全く知りませんでした。読むことすらできず、「しょきばらい」と聞いてもぽか~んとしてしまいましたから。笑)
夏になると会社の飲み会で「暑気払い」という言葉を聞く機会が多くなると思うので、なんとなく「暑気払い=飲み会」とイメージを持たれている人もいらっしゃるのではないのでしょうか。
実は……正解なんです。(ある意味では!!ですけどね。)
では、暑気払いを行う「時期」や「意味」はご存知でしょうか。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/nigaoemaker-2.png” name=”夫” type=”l”]ちょっ、ちょっとそこまでは…。[/voice](大丈夫です!!恥ずかしながら私も知りませんでしたから。笑)
今回は、「暑気払い」についての基本的な知識を調べてみました。これで、ばっちり「暑気払い」の飲み会も参加できるはず!
今回は、「暑気払い」の基本知識だけではなく飲み会以外の楽しみ方についてもご紹介していきたいと思います。
では、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
暑気払いとは
始めに、「暑気払い」は「しょきばらい」と読みます。(決して…私のように、あつきばらいとは読まないでくださいね!笑)
意味はというと、さすがに「暑気払い=飲み会」と辞書には載ってないので意味からみていきましょう。
[box class=”glay_box” title=”暑気払いの意味”]- 夏の暑さを払いのけること。
- 暑い夏に冷たい食べ物や体を冷やす効果のある食品、漢方や薬などで、身体に溜まった熱を取り除こうとすること。
- 暑さに負けそうになる心身を元気づけること。[/box]
暑気払いは、特に決まったことをしなくてはいけない訳ではなく名前の通り「夏の暑さを払いのけ、心身が元気になるようにすること」ということなんですね。
(これこそ!究極の暑気払いだったりして…)
今となっては「身体を冷やす=冷たいものを摂る」というイメージがありますが、昔は漢方などの考え方にもとに枇杷や桃の葉を煎じた「薬湯」を飲み身体の内側から熱(=暑さ)を取り除いていたみたいですね。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”l”]身体を冷やす効果のあるものは、冷たいものとは限らないんだね。[/voice]また、薬湯だけではなく「本直し」といって味醂に焼酎を加えたものが暑気払いとして飲まれていたそうです。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]本直しは、関西で「柳蔭(やなぎかげ)」関東で「直し」と呼ばれていたそうよ。[/voice]画像引用:白扇酒造
最近では「暑い時はビール!」という発想をする人が多いので、
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/nigaoemaker-4.png” name=”A男” type=”r”]夏がきたね~。暑いね。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性うれしい.png” name=”夫” type=”l”]暑い時には、ビールが1番でしょ!仕事終わりに飲みに行きましょ~!![/voice] [voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/nigaoemaker-8.png” name=”A男” type=”r”]よし!暑気払いとして、ぱ~っと飲みに行くか!![/voice]こんな風に「暑気払い=飲み会」というようなイメージが持たれるようになりました。
暑気払いはいつするもの?
暑気払いは、特に時期が決まっているという訳ではありません。暑さを払う為のものなので、夏の暑い時期ならいつでも問題ないということになります。
そうとは言っても、「暑気払い」として会や行事を開く場合には早すぎたり遅すぎても拍子抜けしてしまいますよね。
そこで!!二十四節気の登場です。
引用画像:ホテルモアン
[box class=”yellow_box” title=”二十四節気とは”]1年を太陽の動きに合わせて 24の季節に分けたものをいう。360度を24分割するため、15度おき(約15日間)でそれぞれの季節が定められている。節気ごとに命名して気候の変化、推移を知り、社会や生活の中で季節感を取り入れる際に役立っている。[/box]良かったら、夏至について詳しく紹介している記事があるので時間がある方は読んでみてくださいね~。
[box class=”red_box” title=”夏至について”]夏至とは?地域で食べ物や風習が違う?!簡単レシピもご紹介[/box]
会や行事を計画する際の目安として参考にしてみてください。
夏の二十四節気
- 立夏(りっか):5月6日~21日頃
二十四節気の上で夏の始まりを意味するものです。
- 小満(しょうまん):5月22日~6月5日頃
小満は、陽気が天地に満ち溢れる様を意味します。初夏らしく汗ばむ日も珍しくなくなります時期になってきます。
- 芒種(ぼうしゅ):6月6日~21日頃
芒種は、穀物の種などを蒔くと言う意味を持つ二十四節気です。芒種の時期には、皆さんを少し悩ませる「梅雨」がやってきます。(この梅雨に入る日を暦の上では、入梅(にゅうばい)という雑節がありますよ)
[box class=”red_box” title=”入梅について”]入梅や入梅いわしって知ってる?いわしの缶詰レシピも大公開![/box]
- 夏至(げし):(6月22日~7月6日頃)
1年で太陽が一番高い場所にあり、最も日照時間が長い日です。夏に至ると書くように、本格的な夏が訪れる頃です。
- 小暑(しょうしょ):7月7日~22日頃
梅雨がようやく明け、海の日もあったりと「本格的な暑さになる時期」とされています。
- 大暑(たいしょ):7月23日~8月7日頃
1年でも最も暑さが厳しい時期を意味します。
秋の二十四節気
- 立秋(りっしゅう):8月8日~8月23日頃
暦の上では秋となりますが、1年で最も暑い時期です。この日以降は、残暑になります。(よくこの時期に残暑見舞いって出しますよね。)
- 処暑(しょしょ):8月24日~9月7日頃
「処」は止まるという意味があり、暑さがおさまり朝夕は過ごしやすくなる頃です。(近年では暑さがまだまだ続いていますが…)
- 白露(はくろ):9月8日~22日頃
朝は少し冷えるようになり、草花に朝露がつくという意味があります。秋の旬の味覚がどんどんと出始める頃です。
- 秋分(しゅうぶん):9月23日~10月8日頃
昼と夜の時間がほとんど等しくなり秋が深まってくる時期です。お彼岸がある頃ですね。
- 寒路(かんろ):10月9日~23日頃
朝露が冷える時期を意味します。秋も終盤ですね。冬はもうすぐです。
夏の行事
- 夏越しの祓(なごしのはらえ):6月30日
半年分のけがれを払い、残りの半年も良い日々になるよう祈願する行事です。茅の輪くぐり(ちのわくぐり)は夏の風物詩としても親しまれています。
水無月という和菓子を食べたり、お酒を飲んだりして、暑気払いをする習慣があります。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/nigaoemaker-8.png” name=”A男” type=”r”]大体7月中に、暑気払いを行うって考えておくのが無難かな。[/voice]暦上では、夏至の時期から立秋までに暑気払いを行うことが良いかと思います。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性うれしい.png” name=”夫” type=”l”]残暑が厳しい時には、9月初めでもおっけーかな。[/voice][the_ad id=”11303″]
暑気払いの楽しみ方
暑気払いは「夏の暑さを払いのけ、心身が元気になるようにすること」なので、特に決まったことをしなければいけないということはありません。
皆さんが元気になって夏の暑さを乗り越えられば良いと思います。せっかくなので、飲み会以外にある「暑気払い」の楽しみ方についてご紹介していきます。
食べ物で暑気払い
暑い夏に打ち勝つには、身体の内側から元気になった方が良いですよね。「身体を冷やしてくれる食べ物」「身体に栄養を与えてくれる食べ物」を調べてみました。
(私の独断と偏見で選抜しております。ご了承くださいね。)
[box class=”green_box” title=”身体を冷やしてくれる食べ物”]- 麦
- 夏野菜
- 氷[/box]
麦
夏前に収穫の時期を迎える「麦」は、身体を冷やす作用があります。(麦が原料のビールも、暑気払いとして素晴らしい飲み物ですね。)
お中元の品物に素麺が多いのも「暑い夏に麦で作ったそうめんを食べて乗りきって下さい」という暑気払いの意味が込められているそうです。
冷麦や素麺は、暑くて食欲が無い時でも食べられるので良いですよね。栄養面から考えると「サラダうどん」ならぬ「サラダ素麺」にしても良いかと思います。
もちろん、うどんや蕎麦もおすすめですよ。
夏野菜
夏に多く出回っている「夏野菜」は身体の中にこもった熱を取り除いてくれる作用があると言われています。
夏になると食欲が無くなりがちですが、夏野菜の力を借りて身体を冷やしながら食欲を増進させて夏バテ防止をしましょう。
昔から夏と言えば「すいか」(すいかは野菜なんですよ~)。野菜と言っても甘いので、お子様にも人気ですよね。手軽に水分や塩分も補給できます。
あとは、キュウリ、ナスやトマトなどの夏野菜がお勧めです。
枝豆はビールのおつまみとして定番ですが、枝豆も身体から熱を取り除いてくれたりアルコールの分解に必要な成分がたくさん含まれているので、ビールと枝豆はセットとして覚えておきましょう♪
氷
かき氷は言うまでもなく、夏の定番ですね。ひんやりしていて真夏はいつ食べても美味しいです。
最近はこんな可愛らしいかき氷も登場しているようですよ。
今は家庭の冷蔵庫があれば誰でも手に入るといっても過言ではない身近すぎる氷ですが、昔はとっても貴重なものでした。
そんな中、昔の人の知恵から生まれたお菓子が「水無月」。
小豆の下の白い部分は、氷に見立てた「ういろう」です。
旧暦の6月1日に氷を口にすると夏バテをしないと言われていたことから、氷を取り寄せて暑気払いをしていましたが庶民にとってなかなか手に入らない貴重なものだった為、氷に似せて作った水無月を食べて夏の暑さを乗り切ろうとしていました。
京都では1年のちょうど折り返しにあたる6月30日に、半年間の罪やけがれを払い、残り半年の無病息災を祈願する神の行事「夏越祓(なごしのはらえ)」が行われ、この際に6月の和菓子の代表である「水無月」が食べられていたようです。
[box class=”green_box” title=”身体に栄養を与えてくれる食べ物”]- 鰻
- 甘酒
- カレーライス[/box]
鰻
「土用の丑の日」には鰻を食べますよね。鰻は、ビタミンB1とビタミンAが豊富で夏バテを防いでくれます。
また、鶏肉には胃腸の働きを強化・促進する良質なたんぱく質が、豚肉には疲労回復効果のあるビタミンB1を多く含んでいるのでおすすめです。
甘酒
「飲む点滴」と呼ばれるほど豊富な栄養素が含まれている甘酒は手軽な栄養ドリンクですね。江戸時代には、夏になると甘酒を売り歩く商人がいて夏バテ予防や暑気払いにと庶民に重宝されていたそうです。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/驚き.png” name=”かな” type=”r”]冬のイメージがある甘酒だけど、実は夏の季語なんですって。[/voice]甘酒には酒粕を使ったものと麹を使ったものの2種類がありますが、「麹を使った甘酒」が点滴と同じような栄養素を含んでいます。また、麹を使った甘酒はノンアルコールなのでお子様や妊婦さんも安心して飲むことができます。
カレーライス
カレーにはスパイスや唐辛子など様々な香辛料が使われていますよね。辛いものは身体を温めるというイメージがありますが、辛いものを食べて出す汗が体内の熱を外に出し身体を冷やしてくれます。暑い国には、唐辛子やスパイスを食べて涼を取るという暑気払いの知恵があるそうですよ。
爽涼感で暑気払い
夏の暑さを乗り越えるには、気持ちも大事ですよね。涼しさ満点!気分をすっきりできる3つの方法もご紹介します。
打ち水
昔ながらの涼み方である「打ち水」。玄関先や家の前の道路などに水を撒くことで、撒いた水が蒸発する時に空気中の熱を奪い気温を下げてくれる効果があります。
ミント風呂
ミントのスースーする成分は「メントール」という成分です。このメントールには、体を冷やすことなくひんやり感を味わえる成分が含まれているので爽涼感はばっちりです。
また、ミントは汗を抑え血行促進や保温効果もあるので夏には油断しがちな湯冷めも防止できますね。
お化け屋敷
お化け屋敷といえば、日本ならではの夏の風物詩ですよね。あまりの怖さに足がすくんでしまったり恐怖と驚きで冷や汗が…なんてことも。こんな少し、変わった暑気払いもおすすめです。
暑気払いの反対語は○○
今まで、暑気払いについてご紹介してきましたがここでふと疑問が…
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2019/02/娘普通.png” name=”娘” type=”r”]暑気払いの反対語ってあるの?[/voice]暑気の反対語は寒気(かんき)です。ってことは…「寒気払い」?!
実は、反対語は無いようです。(寒気は払うというより、耐えしのぐのいう方がしっくりくるからなのでしょうか…)
しかし、暑くなると売り上げが増す清涼飲料やアイスなどの業界では「少しでも暑い夏が続いてほしい」という意味で逆の表現が使われることがあります。
それが暑気寄せ(しょきよせ)、暑気乞い(しょきごい)です。
また、暑気払いではなく夏の暑さに負け体調を崩してしまうという意味で、暑気中り(しょきあたり)や暑気負け(しょきまけ)という言葉もあります。
まとめ
さて…「暑気払い」の基礎知識は、もうばっちりでしょうか?
簡単におさらいしていきましょう。
[box class=”blue_box” title=”これでばっちり!暑気払いまとめ”]- 暑気払い(しょきばらい)とは、夏の暑さを払いのけ心身が元気になるようにすること。
- 暑い夏に冷たい食べ物や体を冷やす効果のある食品、漢方や薬などで、体に溜まった熱を取り除こうとすること。
- 暑さに負けそうになる心身を元気づけること。
- 暑気払いを行う時期は、特に決まっているわけではなく夏の暑い時期ならいつでも問題ない。
- 行事や催しを行う際には、二十四節気を参考にすると良い。
- 楽しみ方は、人それぞれ。元気になって夏の暑さを乗り越えれば良い。
- 飲み会で暑気払いをする。
- 食べ物で暑気払いをする。
- 爽涼感で暑気払いをする。
- 暑気払いの反対語は、無い。
- 逆の表現で少しでも夏の暑さが続くように、「暑気寄せ(しょきよせ)、暑気乞い(しょきごい)」という言葉がある。
- 元気になるのではなく体調を崩してしまう意味の言葉が「暑気中り(しょきあたり)や暑気負け(しょきまけ)」。[/box]
いくら暑気払いをするといっても冷たいものばかり摂っていると胃に負担をかけてしまいます。摂り過ぎにはご注意ください。
皆さんのスタイルに合った、暑気払いを是非楽しんでみてくださいね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。またお会いしましょう!!
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