最近はさまざまなカタカナ語が日本にで使われるようになっており、『アイデンティティ』という言葉も一度は聞いたことがあると思います。
でも、『アイデンティティ』とはなんなのかイマイチその意味を理解していない人は多いのではないでしょうか。
『アイデンティティ』の意味、そしてその使い方について解説します。
アイデンティティの意味とは
まず初めに、『アイデンティティ』とは造語ではなく、もともと英語としてある言葉が、カタカナ語として日本に取り込まれました。
近年ではその意味も辞書に載っているので、まずは辞書の意味をご紹介します。
辞書での説明によるアイデンティティ
1 自己が環境や時間の変化にかかわらず、連続する同一のものであること。主体性。自己同一性。「アイデンティティーの喪失」
2 本人にまちがいないこと。また、身分証明。
引用:goo国語辞典
“主体性、独自性、同一性。デザインの段階で発想自体にデザイナーの独創、独自性を
もたせる意味で使う場合のアイデンティティと、特定のモデルやブランドとしての継続性、または製品グループとして同一性や独自性を考慮する場合のモデル・ブランドアイデンティティ、
あるいは企業としての同一性を意図する場合のコーポレートアイデンティティなど、いろいろな局面で使われている。DNAと同義で使われることもある。”
引用:三栄書房三栄書房
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] その他の辞書もあるけど、簡単にいうことこんな感じね。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] 自己同一性に主体性、独自性・・・うーん。なんだかわかったようなわからないような。[/voice]
アイデンティティの起源
辞書を読んでも「なるほど!理解できた」と簡単に納得するのは難しいですよね。
実は、『アイデンティティ』という言葉の語源はラテン語で、その言葉が注目されたのは1950年代です。
当時、アメリカの精神分析学者であるE・H・エリクソンが用いて以来、人間諸科学に定着したのキーワードです。
彼によると
アイデンティティとは「自己確立」ないしは「自分固有の生き方や価値観の獲得」にほかならない。
ここでいう「自己」とは、内省によってみいだされる主観的自己であるよりは、社会集団のなかで自覚され、評価される社会的自己のことである。
個人は共同体の固有の価値観に自己を同一化し、そのなかでさまざまな社会的役割を積極的に引き受けることによって自己を確立する。
これら複数の役割的自己を統合する根源的な自己のことを、エリクソンは「人格同一性」あるいは「自我同一性」である”と提唱しています。
引用: コトバンクコトバンク
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] 近代になってから定着した言葉なのは理解したけど、まだ意味が難しいかな。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] そしたら、身近なもので使われている例を用いて説明するね。[/voice]アイデンティティは自分自身のIDカード
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] 突然だけど、IDカードは持ってる?[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] もちろん!会社からIDカードを貸与されてオフィスに入るのにも必要だもん。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] じゃあ、IDカードの『ID』ってなんの意味か知ってる?[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] うーん・・・。なんだろう考えたことなかったな[/voice]IDカードとはIdentity Document(アイデンティティ・ドキュメント)の略です。
そしてIDカードは日本では身分証明書としても用いられます。
日本での公的な身分証明書としては、運転免許書、パスポート(旅券)、健康保険被保険者証、住民基本台帳カード(住基カード)、最近だとマイナンバーカードなどがあります。
つまり、運転免許書などの身分証明書とはアイデンティティをドキュメント(書面)にしたものなのです。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] 身分証明書ってどんな時に使う?[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] そうだね。警察からの本人確認や、契約のときの本人確認などかな[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] ほかにも用途はあるけど、本人確認(身分証明)のときに使うわよね[/voice]つまり、IDカードとは、自分が自分であることを証明するために使用するものです。
それを踏まえるとアイデンティティとは、『自分が自分であることの証明』なのです。
たとえば、私(かな)のアイデンティティは・・・
- 私(かな)は、雑学トレンディの管理人
- 私(かな)は、東京在住で2児の母
- 私(かな)は、好奇心旺盛で気になったことがあったら何でも調べる人
などがあげられます。
アイデンティティは自他ともに認める自分像
前項で、アイデンティティは『自分が自分であることの証明』と説明をしました。
ただ、ここで重要なのがアイデンティティとは自分がそう思うだけでなく、相手も同じく思わなくてはなりません。
たとえば、
マイクタイソンに、『自分(マイクタイソン)は、ボクシングが強い人間である』というアイデンティティがあるとします。
その場合、自分(マイクタイソン)だけでなく、その経歴から多くの人もマイクタイソンが強いということを認識できます。
しかし、
周囲の人間が『マイクタイソンはボクシングが強い人間である』といくら思っていても、本人(マイクタイソン)にその気がなければ、『マイクタイソンはボクシングが強い人間である』というアイデンティティは成り立ちません。
⇒これが自分が認める自分像です。
また、
私(かな)が、『自分(かな)は、ボクシングが強い人間である』というアイデンティティがあるとしても、それを他人が認めなければ『自分(かな)はボクシングが強い人間である』というアイデンティティは成り立ちません。
⇒これが他人が認める自分像です。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] なかなか奥が深いね。でも。自分像を他人に認めさせるにはどうしたらいいの?[/voice]
例にあげたマイクタイソンであれば、テレビや雑誌などのメディア媒体を通じて『マイクタイソンはボクシングが強い人間である』ということを認識することができます。
ですが、一般人の場合はそうはいきません。
その場合は、自分が認める自分像の理由を相手に説明しなければなりません。
さきほどの『自分(かな)は、ボクシングが強い人間である』というアイデンティティに対して、「ボクシングジムに通っている」「ボクシングライセンスを取得している」などの説明を付け加えると、他人からも認めてもらえるようになります。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] 自己PRも必要ってことね[/voice]ビジネスにおけるアイデンティティ
ここまでは、アイデンティティにおける「主体性」「自己同一性」について説明してきましたが、辞書には『独自性』という意味も含まれているあります。
次のアイデンティティにおける『独自性』について解説します。
『自分は〇〇な人間である』というのは「主体性」「自己同一性」としてのアイデンティティでした。
それとは違って、他の誰とも違う性質を持っていることをアイデンティティにおける「独自性」といいます。
たとえば、
- 社名
- 会社のロゴマーク
- ブラント名やブランドカラー
など、一目見るだけでどの会社かわかるものがアイデンティティにおける「独自性」といい、これを企業に括るとコーポレートアイデンティティいいます。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] ようは『世界にたった1つしかない』ってことだね。SMAPの歌みたいだね。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] ちなみにSMAPというグループ名も一目でわかるという点ではアイデンティティが確立しているといえるわね[/voice]
帰属意識におけるアイデンティティ
「主体性」「自己同一性」、「独自性」のほかに「帰属意識」という意味も含まれるます。
アイデンティティにおける帰属意識とは『「自分がある集団に属している」ことへの認識』です。
良く使われる言葉としてナショナル(国民的)アイデンティティというものがあります。
「主体性」「自己同一性」では自分と他人の比較でしたが、「帰属意識」にける他人とは『文化』や『地域』、『民族』、『宗教』、『他社』などをさします。
たとえば、
- ○○会社の一員であることの認識
- ××宗教の一員であることの認識
- 日本人の一人であることの認識
- チームの一人であることの認識
会社や宗教の場合は企業理念や聖典などあるべき姿が表現されていますが、日本人としてのあるべき姿は受け取る人によりことなります。
さらには同じ日本人でも関西と関東では漠然と性質が異なるイメージがあると思います。
また、県民性という言葉あるぐらいですから都道府県毎に日本人としての性質が異なる場合もあります。
帰属意識のなかで問題になるのが、すべての人が共通の帰属意識を持ちにくいという点です。
また、帰属意識が偏ったばかりに他の『文化』や『地域』、『民族』、『宗教』への偏見が生まれる可能性があることです。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] スポーツでは自分のチームの一員であることへのアイデンティティは団結力を高めるうえで必要でしょ。でも、そのために他のチームに意地悪することはダメよね[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] スポーツマンシップに反するもんね[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] そう。チームの一員である前に、スポーツマンという広義のアイデンティティを持つ必要があるのよ[/voice]
アイデンティティの使い方
アイデンティティの説明として「主体性」「自己同一性」「独自性」「帰属意識」の意味を解説しました。
次に、それらの意味を踏まえてどのように使うのかをご紹介します。
主体性・自己同一性としての使い方
例:私は青年期のアイデンティティの確立のために、自問自答を繰り返した。
⇒自分自身の「特徴」「長所」「個性」をしっかりと把握し、自覚していることを意味します。
例:あなたのアイデンティティはなんですか?
⇒就活などで面接官に聞かれる言葉です。
自分自身の「特徴」「長所」「個性」を説明でするだけでなく、その理由までを求められることが多いです。
ようは自己PRです。
独自性としての使い方
例:顧客の口コミを評価・分析して、当社のアイデンティティが確立していることを確認した。
⇒リサーチにより自社のブランドやロゴマークが大衆に広く認識されていることを意味します。
帰属意識としての使い方
例:私は関西人としてのアイデンティティが強い人だ。
⇒関西人とはどうあるべきか、その姿を確りと認識し、そのとおりの人間であることを意味します。
例:家族のアイデンティティを強めるためにはどうするべきか。
⇒自分の家族はどうあるべきか、を聞かれています。
実際にある家は少ないとは思いますが、家訓がある家はアイデンティティが確立しているともいえます。
まとめ
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] アイデンティティと一言で表現してもその意味は「主体性」「自己同一性」「独自性」「帰属意識」といろいろあるんだね[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] だからアイデンティティをそのまま日本語に訳すのが難しくカタカナ語として日本に定着しているのよ[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”r”] でも、自分のアイデンティティはなにかと言われると難しいね[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”] アイデンティティは、生まれた時から備わっているものではなく成長していくなかで、育んでいくものだから、本人も気づかないうちに変化していくものよ[/voice]- アイデンティティと辞書で調べると「主体性」「自己同一性」「独自性」「帰属意識」を意味する
- 「主体性」「自己同一性」とは自他ともに認める自分像のこと
- 「独自性」とは他の誰とも違う性質を持っていること
- 「帰属意識」とは自分がある集団に属している」ことへの認識のこと
辞書の場合ページ数の制限でやや抽象的な表現が多いため難しいですか、今回はそれらを気にせずなるべく詳細に解説をしたつもりです。
また、先程も言いましたが、『アイデンティティは、生まれた時から備わっているものではなく成長していくなかで、育んでいくもの』です。
この記事を読んで自分のアイデンティティに気づいてもらえると幸いです。
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