梅雨が明けると、夏はもう目の前ですね。
暑くなってくると、注意したいのが熱中症。
消防庁によると、2018年に熱中症で救急搬送された人の数は8万5千人にのぼります。
そんな熱中症の症状について、あなたは正しく知っていますか?
「まだ大丈夫だろう」と思って放置していると、最悪の場合死亡や、後遺症が残るケースもあるんです。
この記事では、注意すべき熱中症の症状、処置方法についてまとめました。
この記事を読んで、熱中症に正しく備えましょう!
熱中症の症状
熱中症になってしまうと、どのような症状があらわれるのでしょうか。
熱中症は、重症度によってI度、II度、III度に分類されます。
それぞれ、以下のような症状がみられます。
[box class=”blue_box” title=”I度(軽度)”]めまい、失神、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の発汗
[/box] [box class=”yellow_box” title=”II度(中度)”]頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
[/box] [box class=”red_box” title=”III度(重度)”]意識障害、けいれん、手足の運動障害、体温の上昇
[/box]I度、II度、III度の順に重篤な症状となります。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-10.png” name=”かな” type=”r”]怖いわね。でも、どうしてこのような症状が起こるのかしら?[/voice]ということで、熱中症のメカニズムについて調べてみました。
私たちの体は、絶えず熱を作り(産熱)、また放出しています(放熱)。この産熱と放熱のバランスをとることで、体温を36~37度に保っているのです。
しかし、暑い場所にいると、熱を放出できずに体温が上がります。また激しい運動をすると体が熱をたくさん作り、体温が上がります。上がった体温を下げるため、体の表面を流れる血液の量を増やすことで、熱を逃がそうとします。
この時、血液が体全体に行きわたるため脳の血液が足りなくなり、めまいや失神といった症状があらわれます。
また、体温を下げるために大量の汗をかきます。この時に水分を摂らないでいると脱水状態となり、吐き気や倦怠感があらわれます。
汗には塩分が含まれており、汗をかくと塩分も失われます。塩分は筋肉の収縮を調節する役割があるため、塩分が不足すると手足がつるなど、筋肉のけいれんを引き起こします。
さらに体温が上がると、脳内の温度が上昇して中枢神経に影響がおよび、意識障害が出たり、さまざまな臓器に障害が出ます。
III度まで行ってしまうと非常に危険な状態となり、最悪の場合命を落とすこともあります。また、熱による臓器への影響は不可逆的なもので、一度変化するともとに戻りません。
卵に熱を加える場合を想像してみましょう。
卵を加熱していくと、ゆで卵になります。
ゆで卵をいくら冷やしても、もとの生卵には戻りませんよね?
重度の熱中症では、これと同じことが体の中で起こっているのです。
そのため、一命を取りとめたとしても、めまいや手の震え、うまく歩けないといった後遺症が残る場合があるのです。
そうならないよう、少しでもおかしいと感じたら、早めに対処することが重要なのです。
熱中症の処置方法
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-10.png” name=”かな” type=”r”]自分、もしくは周りの人が熱中症になってしまったかもしれない時は、どうすればいいの?[/voice]熱中症の症状について学んだところで、次は実際に熱中症になってしまった場合の処置方法を調べてみました。
熱中症が疑われる場合、まずは本人の意識の有無を確認します。
意識があれば、涼しい場所に避難し、服をゆるめて体を冷やします。
そして、水分を自力で摂取できるようであれば、水分・塩分を補給します。
100ml中にナトリウムを40~80mg含む飲料(スポーツ飲料など)や、経口補水液が効果的です。
これらの処置で症状がよくなれば、そのまま安静にしてしばらく休みます。
意識がない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
そして、救急車が到着するまでの間に涼しい場所へ避難し、服をゆるめて体を冷やします。
血管が集まっている首や脇の下、足の付け根を冷やすと効果的です。
意識がない人に無理に水を飲ませてはいけません。
また、次のような場合も、すぐに医療機関へ行きましょう。
- 意識がもうろうとしている
- 自力で水分をとれない
- 応急処置をしても症状が改善しない
熱中症対策
熱中症にならないよう、前もって対策を講じることが重要です。
どのような対策方法があるのか、見ていきましょう。
環境
熱中症になりやすい環境とは、どのようなものでしょうか。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]やっぱり夏の暑い日中、直射日光を受ける外が危険そう。[/voice]確かに気温の高い屋外も危険ですが、それだけではないんです。
現在、熱中症の危険度を判断する指標として、「暑さ指数」というものが用いられています。
[aside]暑さ指数(WBGT)熱中症の原因となる暑さの要素、
- 気温
- 湿度
- 輻射熱
- 気流
を総合的に考慮した指数[/aside]
暑さというと、気温を真っ先に思い浮かべますが、暑さ指数は湿度が7割を占めています。
湿度が高いと汗が蒸発しにくく、熱を放出できなくなるので熱中症になる危険度が高くなるのです。
屋内でも、風がなく、湿度が高い場所に長時間いると熱中症になる可能性があります。
特に注意すべきなのが、お風呂場です。
お風呂場は湿度が高く、洗濯機や乾燥機の熱もこもりやすくなっています。
また入浴すると約800mlもの水分を失います。
これらの要因により、熱中症になりやすいのです。
入浴前後にはしっかり水分補給をしましょう。
入浴後には窓や換気扇を使って風通しを良くし、なるべく湿度や熱がこもらないようにしましょう。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-10.png” name=”かな” type=”r”]お風呂で熱中症だなんて、あまりイメージなかったけど、危険なのね。気をつけないと。[/voice]
また、家の最上階は日差しを受け、熱がこもりやすくなっています。
家の最上階に長時間いる場合は、窓を開ける、扇風機や冷房をつけるといった対策が必要です。
服装
昨今ではクールビズという活動も広まっていますが、暑い時には涼しい恰好をするのも重要です。
服の素材には、吸水性と速乾性の高い、綿・麻・ポリエステルを選ぶと熱中症対策には効果的です。
また服の形も影響します。
体にぴったり密着するものだと、熱がこもりやすくなります。衿や袖の開いた、通気性の良いデザインの服を選びましょう。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]風通しの良いワンピースなんかは見た目にも爽やかで、夏にぴったりね![/voice]服装に加えて、帽子や日傘などのアイテムを使って暑さをしのぐことも大事です。
このようなアイテムは、暑さ対策と共に紫外線を防ぐという意味でも重要になってきます。
紫外線対策に効果的な帽子の選び方については、こちらの記事にまとめてあります。
[box class=”glay_box” title=”関連記事”]紫外線対策には帽子!色による効果の違いは?おすすめをご紹介![/box]
水分補給
暑いと体はたくさん汗をかきますから、もちろん水分補給が大事です。
https://www.instagram.com/p/Bzc2pL1A4Iu/
その際、上で説明したように、塩分も一緒に出ていきますから、水分と塩分を一緒に摂るのがベストです。100mlにナトリウム40~80mgが含まれたスポーツドリンクや経口補水液がよいでしょう。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-10.png” name=”かな” type=”r”]暑いから、ちゃんと水分摂ってよ?[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/30代男性普通.png” name=”夫” type=”l”]飲んでるよ~、ビール![/voice]お酒やお茶、コーヒーには利尿作用があり、体内の水分を出してしまいます。
暑い日の冷たいビールはおいしいですが、水分補給の面では残念ながら効果が薄いということになります。
さらに、汗をかいていなくても注意が必要です。
汗以外にも、皮膚や呼気から水分は失われます。
特に室内にいると、のどの渇きを感じにくくなることもありますから、汗をかいていなくてもこまめに水分補給することが重要です。
また寝ている間にも汗をかいており、一晩でコップ一杯分の水分が失われるといわれています。そのため、朝起きたらまず水分を摂るとよいです。
食事
熱中症を予防するためには、普段の食事でいろいろな栄養をしっかり摂ることも重要です。
暑いからといって、そうめんなどの冷たい単品メニューばかり食べていると、体力や免疫力が落ちて熱中症や夏バテになりやすくなるのでNGです。
では、具体的にどのような栄養が必要なのでしょう。
水分以外に必要な主な栄養素は、
- ナトリウム(塩分)…汗をかくと、水分と同時に塩分も失われます。
- カリウム…汗をかくと、カリウムも失われます。カリウム不足は、細胞の脱水症状や内臓機能の低下・熱痙攣・こむら返りなどが起こりやすくなります。
- ビタミンB1…乳酸などの疲労物質をたまりにくくします。
- アリシン…ビタミンB1との相性が良く、一緒に摂取することでビタミンB1の吸収が良くなります。
- クエン酸…乳酸を抑えるため、疲労回復効果があります。
- ビタミンC…クエン酸同様、疲労回復に役立つ栄養素です。
これらの栄養を多く含む食品を、以下にまとめました。
[box class=”pink_box” title=”カリウム”]- バナナなどの果実類
- ほうれん草などの野菜類
- さつまいもなどのいも類
- 豆類
- 魚類
- 肉類
- 豚肉
- うなぎ
- 大豆
- 緑黄色野菜
- 玄米
- にんにく
- 長ねぎ
- 玉ねぎ
- 梅干し
- レモン
- オレンジ
- 酢
- 柑橘類などの果物
- 野菜
- いも
※果物の栄養について、こちらの記事も参考にどうぞ。
[box class=”glay_box” title=”関連記事”]夜食べても大丈夫?おすすめのフルーツとその効果が知りたい♩[/box]このような食品をバランスよく摂ることが、熱中症を防ぐために重要なのです。
熱中症対策おすすめレシピ
ここからは、熱中症対策によい食品を使った、熱中症対策におすすめのレシピを紹介していきます!
豚肉のカレーソテー
豚肉をスパイシーなカレー味に炒めました。夏でも食欲をそそる一品です。
材料(4人分) | |
豚肩ロース | 400g |
プチトマト | 8~10個 |
大葉 | 4枚 |
にんにく(おろす) | 1~2片 |
カレー粉 | 大2 |
塩 | 小1 |
ブラックペッパー | 少々 |
オリーブオイル | 大1 |
お酢 | 大1 |
お醤油 | 大2 |
豚バラの中華風香味ダレ
豚しゃぶを、ピリ辛の中華風のタレでいただきます。食欲がない時にも、さっぱりと食べられそう!
材料 | |
豚バラ肉 | 250g |
酒 | 適量 |
ごま油 | 大さじ3 |
生姜 | 2片 |
にんにく | 1片 |
豆板醤 | 小さじ1 |
ネギ | 1/3本 |
醤油 | 大さじ3 |
片栗粉 | 適量 |
ミョウガ | 1個 |
砂糖orはちみつ | 大さじ2 |
酢 | 大さじ2 |
豚肉と野菜の味噌炒め
香ばしい味噌味で、野菜もたくさん食べられます。
材料 | |
豚こま肉 | 250g |
ごま油 | 大さじ1 |
ズッキーニ | 半分~1本 |
茄子 | 1本 |
ピーマン | 2個 |
玉ねぎ | 半分 |
味噌 | 大さじ1 |
酒 | 大さじ1 |
醤油 | 小さじ2 |
砂糖 | 小さじ1 |
炒りごま | 好きなだけ |
コチュジャンや甜麺醤 | 好きなだけ |
梅と豚しゃぶの冷製パスタ
梅でさっぱりと、夏においしい一皿になります。
材料(2人分) | |
パスタ | 300g |
豚肉 | 100~150g |
梅干し | 2粒 |
大葉 | 2~3枚 |
塩 | 適量 |
ポン酢 | 適量 |
うなぎまぜご飯
スタミナ満点のうなぎご飯を、梅でさっぱりといただきます。
材料(2人分) | |
市販のうなぎのかば焼き(たれ付き) | 1~2人前 |
梅干し | 2個 |
みょうが | 2つ |
大葉 | 2~3枚 |
きゅうり | 1本 |
塩 | 小さじ1 |
炊きたてごはん | 好きなだけ |
まとめ
いかがでしたでしょうか。
熱中症について、正しい知識を持っていただけましたか?
[box class=”pink_box” title=””]- 熱中症は、重症度によりI度、II度、III度に分けられる
- III度まで進行してしまうと、後遺症が残る場合もある
- 少しでもおかしいと感じたら、早めに涼しい場所へ避難し、水分と塩分を補給する
- 温度と湿度にも気を付け、風通しを良くする
- 通気性のよい服装をする
- 帽子や日傘を活用する
- こまめに水分補給を行う
- 夏に適した食材をバランスよく食べる
熱中症対策には、普段の生活習慣が大事です。
しっかり備えて、夏を元気に乗り切りましょう!
[box class=”glay_box” title=”関連記事”] [/box]