ひな祭りの歌にも登場する「五人囃子」。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]そもそも五人囃子ってなんなんだ?なんで五人いるの?どんな役割で?[/voice]そんな疑問を持ったことがあるのは私だけではないはず…。
今回はそんな五人囃子の役割や意味・由来など、さまざまな疑問を徹底解説していきます!
この機会にスッキリ疑問を解決して、ひな祭りを清々しい気持ちで迎えましょう!
そもそも五人囃子って何?
五人囃子(ごにんばやし)とは、おかっぱ姿で笛や太鼓を持った五人一組の雛人形のことです。
最近はお内裏様とお雛様(正しくは男雛と女雛)2人だけのコンパクトな雛人形を飾る家が多いですが、5段飾りや7段飾りなどではたくさんの種類の雛人形が飾られます。
そのうちの一つが五人囃子ということですね。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]私の実家にあった7段飾りにもちゃんと五人囃子がいたのを今でもハッキリ覚えていますよ。懐かしいなぁ~。[/voice]
五人囃子の役割は?
五人囃子の「囃子(はやし)」は「ひきたてる」「映えるようにする」という意味の「はやす」という言葉が語源で、その場の主役となる音楽や踊り、行事などを盛り上げるため、言葉や音楽で賑やかにはやし立てることを指します。
つまり五人囃子は五人で笛や太鼓を演奏して、場を盛り上げる役割があったというわけです。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]「はやし立てる」というと「冷やかす」「からかう」などの意味があるように感じますが、ここでいう「はやす」には「盛り上げる」というプラスの意味があるみたいですね。[/voice]
五人囃子は何のために演奏しているの?
実は雛人形はお内裏様とお雛様の結婚式の様子を表しているものなんです。
「雛人形を出しっぱなしにすると結婚できない」など、結婚に関する言い伝えがあるのも頷けますね。
そして、そのおめでたい席で音楽を発表して場を盛り上げているのが五人囃子というわけです。
ちなみに五人囃子のモデルは元服(現在の成人式のようなもの)を行う前の貴族の少年で、演奏している音楽は能楽と呼ばれる日本の伝統文化の一つです。
[box class=”pink_box” title=”能楽とは”]能楽とは能や狂言の総称で、日本を代表する舞台芸術のこと。もっと簡単に言えば能面を使った音楽劇のこと。[/box] [voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]お内裏様とお雛様は現代でいう天皇と皇后のこと。両陛下の結婚式という大きな舞台で音楽を発表するなんて、結構凄いことですよね…。[/voice]
五人囃子が持っている楽器の種類は?
さて、天皇皇后両陛下の結婚式を盛り上げるという重要な役割をもった五人囃子ですが、それぞれが持っている楽器と役割はどんなものなのか、はっきり覚えている人はそう多くはないと思います。
せっかくなので、ここで一気に紹介していきますよ!
雛人形の並び順で、左から順に紹介していくと以下の通りです。
- 締太鼓
- 大鼓
- 小鼓
- 笛(能管)
- 歌(扇)
締太鼓(しめだいこ)
名前からわかる通り、太鼓ですね。能楽の世界でも単に「太鼓」と呼ぶことが多いそうです。
雛人形は専用の台に乗せた太鼓の前に座り、2本のバチを構えています。
「ツクツク」「テンテン」という軽やかで柔らかみを帯びた2種類の音で四拍子のリズムを主導し、能楽を盛り上げる打楽器です。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]太鼓の出せる音は1種類だけってわけじゃないんですね!知りませんでした![/voice]
大鼓(おおつづみ)
バチで叩く締太鼓とは違い、手で打面を直接叩いて音を出すタイプの太鼓です。
突き抜けるような甲高い音が特徴で、「調べ緒(しらべお)」と呼ばれる麻紐で組み上げて作ってあります。
雛人形は立ち姿で楽器を左手に持ち、それを左膝に置いて、右手で強く鳴らそうとしています。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]大鼓の音は結構乾いた音なので「ポン!」というよりは「カン!」と言う音の方が近い気がしますね。[/voice]
小鼓(こつづみ)
大鼓よりも一回り小さいですが、大きさ以外の構造はよく似ています。
打楽器でありながら4種類の音色を打ち分けることができ、この自在な音色の変化から能楽を色彩豊かに彩る役割があります。
雛人形は立ち姿で楽器を左手で右肩に担ぎ、右手で打ち込もうとしている姿がとらえられています。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]小鼓の出せる音は4種類…先ほど「締太鼓は2種類も音が出せるの!?」と驚いていたのが遠い昔の事のようです(笑)[/voice]
笛(能管)
全長が39センチほどある横笛で、能楽で使われる唯一の吹奏楽器です。
能楽ではリズミカルに力強い吹き方をすることから打楽器的な役割も担っています。
雛人形は座った姿勢で両手を前に出しています。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]実は結構前に能管を吹かせてもらう機会があったんですが、全く音が出ませんでした。口を直接つけるのではなく少し離したところから思いっきり息を吹くのですが、角度とか風量とか…とにかく難しくって音が出る前に酸欠になって断念した記憶があります(笑)[/voice]
謡(うたい)
謡(うたい)は楽器ではなく、能楽で唯一の声楽部分です。
能では舞台に登場していない第三者の立場で出来事や心情を歌うことから、いわゆるコーラスのような声楽パートだと言われています。
雛人形は座り姿勢で両手を膝にそえ、右手に扇を持っています。
[voice icon=”https://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/eiron1.png” name=”筆者” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]現代の結婚式でも音楽があった方が雰囲気が出ますもんね!五人囃子がいればお内裏様とお雛様の結婚式もきっと盛り上がることでしょう。[/voice]
まとめ
今回は雛祭りの五人囃子に関するさまざまな疑問について解説してきました。
- 五人囃子(ごにんばやし)とは、おかっぱ姿で笛や太鼓を持った五人一組の雛人形のこと。
- 五人囃子の役割はお内裏様とお雛様の結婚式で披露される能楽を歌や演奏で盛り上げること。
- 五人囃子の並び順は左から「締太鼓」「大鼓」「小鼓」「笛(能管)」「謡」である。
是非これから雛人形を飾り付ける際は、お内裏様とお雛様の結婚式の様子を想像しながら飾り付けをしてみてくださいね。
[box class=”pink_box” title=”関連記事まとめ”]