セミが鳴き始めたら夏って感じするわよねえ。[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”l”]夏の風物詩だからね。そういえばセミって1週間しか生きられないってよく言われてたけど、最近ではもっと長く生きるって言われてるの、知ってる?[/voice] [voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/11/女性社員ほほえみ.png” name=”友人” type=”r”]え!?そうなの!?知らなかったわ![/voice]
夏になるといつの間にか聞こえてくるセミの声。「ああ、夏だなあ」と感じる方も多いのではないでしょうか。
うとうとしていたら数匹が一斉に大合唱を始め、ビックリして飛び起きる。なんてこと、経験ありませんか?
時には騒々しく思えるほど力強く鳴くセミも、その成虫の命が短いというのは有名な話です。
“セミの寿命は1週間“
昔から儚さの例えとしても用いられるセミ。
幼虫時代7年間土の中で過ごし、ようやく土から出て成虫になっても1週間で命を落とす、というのは広く知られていると思います。
それが近年俗説になっているのです。ご存知でしたか?
というわけで、今回は今セミの寿命は何年とされているのか、どうして成虫の寿命が1週間とされたのか、ご紹介していきたいと思います。
日本でよく見られるセミの種類
セミは、世界で約3000種ほど確認されており、日本では約30種が確認されています。
その中でも日本各地で見られると言われる代表的な7種を簡単にご紹介します。
ニイニイゼミ
体長約20~24㎜で、6月下旬~8月頃によく見られるセミです。
サクラの木に好んで集まり、「チーージーー」という鳴き声が特徴。明るいうちはほぼ一日中鳴いています。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]名前は聞いたことなくても、鳴き声は聞いたことあるかもしれないわね。[/voice]ヒグラシ
体長はオス約28~38㎜、メス約21~25㎜で、6月下旬~9月中旬ごろに見られるセミです。
広葉樹林やスギやヒノキの林に生息し、「キキキキ」「ケケケケ」「カナカナカナ」という鳴き声が特徴。日の出前か日の入り後の時間帯に鳴き、涼しくなってくると日中でも鳴くと言われています。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]名前の由来は日暮れ後に鳴くイメージからだそうよ。鳴き声からカナカナとも呼ばれるみたい。[/voice]アブラゼミ
体長約56~60㎜で、7月~9月上旬ごろに見られるセミです。
サクラ、ナシ、リンゴなどバラ科樹木でよく見られ、「ジジジジジ」「ジリジリジリ」という鳴き声が特徴。日が傾く時間帯から日没後に鳴きます。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]鳴き声が油で揚げる音に似て聞こえることから名付けられた説があるそうよ。[/voice]エゾゼミ
体長約40~46㎜で、7月中旬~9月中旬頃に見られるセミです。
木に頭を下にして逆さにとまり、「ギーー」という鳴き声が特徴。よく晴れた午前中に鳴きます。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]名前に”エゾ”ってついてるけど、別に北海道だけで見られるわけじゃなくて全国的に生息しているわ。[/voice]クマゼミ
体長約60~70㎜で、7月下旬~9月上旬頃に見られるセミです。
「ジー」という長い音の後に「シャシャシャ」「センセンセン」と鳴くのが特徴。日の出から正午までの午前中に最も盛んに鳴きます。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]鳴き終わるとすぐに別の場所に飛んで移動する習性があるそうよ。[/voice]ミンミンゼミ
体長約33~36㎜で、7月~9月上旬頃に見られるセミです。
サクラ、ケヤキ、アオギリなどの木によくとまり、名前の通り「ミーンミンミンミン」と鳴くのが特徴。日の出から正午までの午前中によく鳴きます。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]クマゼミとミンミンゼミは鳴き声のベースとなる音がほとんど同じだから、鳴く時間帯や発生時期をお互いに別々にするみたいね。[/voice]ツクツクボウシ
体長は30㎜前後で、8月上旬~9月下旬ごろに見られるセミです。
特に好む木はなく色々な木にとまり、「ジー」という音の後に「ツクツクツクボーシ、ツクツクボーシ」と鳴くのが特徴。日が傾き始めたころから日没後くらいまで鳴きます。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]八丈島ではセミはツクツクボウシ一種しか生息していなくて、ひと夏中ずっと鳴いているんですって。[/voice]
セミの一生
セミは卵→幼虫→成虫というようにサナギにならずに成虫になる不完全変態する虫です。
よく見かけるセミの抜け殻は、いわば脱皮した後みたいなものなのです。
卵
セミは卵を土の中に産むイメージを持っている方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?
実は、土の中ではなく、枯れ木に卵を産むんです!
セミのメスは、枯れ木の上を移動しながら次々に卵を産みます。
樹皮は堅いため、何度も産卵管という卵を産み付ける硬く発達した管を刺し直し、少しずつ卵を産んでいくのです。
なぜ枯れ木なのかというと、生きている木だと穴が塞がるからなんだそう。
卵の大きさは約2㎜で、アブラゼミなら約300個、ツクツクボウシなら約400個、ミンミンゼミなら約500個、ニイニイゼミはなんと約800個を、10日間ほどかけて産み付けます。
ちなみにこの卵の個数が多いのかと言われれば、実は昆虫の中では少ない方なんです。
昆虫類は陸上動物としては産卵数が多く、約10個~10万個の範囲といわれ、特例としてミツバチやシロアリは一匹の女王が10万~数億の卵を産むのだとか。
それでも10日間かけて産卵するなんて、考えただけで壮絶ですよね。
幼虫
ニイニイゼミなど、比較的早い時期に見られるようになるセミの卵はその年の秋に孵化しますが、多くのセミは翌年の梅雨の時期に孵化します。
孵化した幼虫は枯れ木の表面まで出た後に最初の脱皮を行い、地面に落ちて土の中に潜り込みます。
それから長い地下生活になるわけですが、その間の幼虫は木の根から樹液を吸って成長します。
羽化を控えた幼虫は、皮下に成虫の体ができ、複眼が成虫と同じ色になります。この頃には地表近くまで竪穴を掘って地上の様子を窺うように。
しかし、実際セミの幼虫が土の中で何年暮らすのか、はっきりとは分からないようです。
気温や栄養状態などによって同じ種でもかなりばらつきがあるのだそう。
大体なら、
- ツクツクボウシ→1~2年
- ミンミンゼミ→2~5年
- アブラゼミ→2~5年
- クマゼミ→2~5年
- ニイニイゼミ→3~5年
となっているようで、いずれにしても7年よりは短いことが分かります。
実はセミの幼虫は1年のほとんどを休んでおり、実際に発育している期間は2か月にも満たないんです。3、4年かかっても、成長している期間は4、5か月程度ということ。
なぜ実際に成長している期間に比べてそんなに長く土の中で過ごすのか。
それは普通の木には自衛システムが備わっているから。それがセミの幼虫が限度を超えて樹液をとろうとするのを防ぐ働きをします。
セミの幼虫は木から樹液がとれなくなると別の木に移動し、その移動で蓄えた栄養分を消費してしまうから、休み休みの移動になってしまうのです。
だから、セミの幼虫は土の中で長く過ごすことに。
ちなみに主に北アメリカで生息するジュウシチネンゼミという種は、名前の通り、なんと17年間も土の中で幼虫として過ごすのだそう。
これは周期ゼミという種類のセミで、気温や栄養状態に関係なくきっかり17年後に一斉に成虫になるかなり特殊な種です。
羽化
[arve url=”https://www.youtube.com/watch?v=PRuSY3S_Bpo” mode=”normal” /]晴れた日の夕方、成長しきった幼虫は羽化をするために土から出て近くの木に登ります。
羽化するときは無防備になり天敵に襲われやすくなるため、明るいうちは羽化しません。日没後からになります。
木の幹や葉っぱの上に爪を立てた後、背中の部分が縦に割れて白い成虫が顔を出します。
成虫はまず上体が殻から出て足を全部抜き出し、逆さ吊りのような状態で足が固まるまで10分程じっと待ちます。
足が固まると全体を殻から抜き出し、殻の上に足でぶら下がりまだ乾いていない翅(はね)を伸ばし、一晩かけて翅を乾かします。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]セミの抜け殻を木や葉っぱから取ろうとして、なかなか取れなくて足が取れちゃった、なんて経験ない?あれは木や葉っぱにしっかり爪を立てていないと羽化の途中で地面に落っこちちゃうからなのね。[/voice]
成虫
羽化してから、セミの成虫は気温などの環境にもよりますが成熟するまで5、6日かかります。
セミの種によっては成熟するまでに2週間以上かかることもあるそうです。
そこからオスが大声で鳴き始め、パートナーを見つけるようになります。
無事結ばれたメスのセミは、そこから卵の説明の時にも書いたように10日程かけて産卵することに。
1週間では確実に計算が合いませんよね(笑)
実際、天敵に襲われたりしなければ、成虫は1か月間は生きるのではないかというのが近年の常識のようです。
セミの成虫の寿命が1週間といわれる理由
ここまででセミの成虫が1週間以上生きるというのは分かったと思います。
では、なぜセミの成虫の寿命が1週間だと言われるようになったのでしょう?
それにはおそらく、セミの飼育の難しさが関係しています。
子供のころ、セミを捕まえて飼育しようとした方は多いのではないでしょうか?
でも、何を食べるのか分からない、結局虫かごに草を入れてみたけどすぐに死んでしまったなど上手くいかなかったのではないかと思います。
セミは成虫になっても、幼虫のころと変わらず樹液から栄養を吸って生きます。だからセミのエサとして木を見つけてあげなくてはなりません。
では、ホームセンターで売っているような観葉植物なんかを入れてあげたら良いのか。
実はそう簡単なことではないようです。
木は木でも、セミに合った木を見つけないといけないのです。それが難しい!
セミごとに好む木が違いますし、その木に栄養があるかどうかも重要になります。木と相性が合っていないと2~3日ですぐに死んでしまいます。
だから、”セミの寿命は1週間”と言われるようになったのかもしれませんね…。
まとめ
どうでしょう、セミについての常識が覆されませんか?
セミって身近ですけど、そういえば知らないなと思うこと意外と多いんですよね。
[box class=”pink_box” title=”近年の常識”]- 孵化してから土の中で7年
→栄養源になった木の根による。大体2~5年程度で土から出て成虫になる。
種によっては17年間も土の中で生きる。
- 成虫になっても1週間の寿命
→実際は天敵に襲われたりしない限り、1か月間は生きる。
- なぜセミの寿命が1週間だと言われているのか
→私たちが捕獲しても飼育が難しくすぐに死んでしまうから。
[/box]幼虫期間も含めると、セミって実は昆虫の中ではかなり長生きの部類なんですね…。
それでも成虫として生きる1か月ほどの期間は、セミにとって子孫を残して種を存続させるための大切な期間。
賑やかすぎるくらい鳴いていて比較的すぐ手が届くような位置にとまっているので捕まえたくなる子供心も分かりますが、そっとしておいて暖かく見守ってあげましょう(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました!
[box class=”pink_box” title=”関連記事”]セミの寿命は長い!?なぜ短いと思われているのか理由を大解説します!
カブトムシの寿命の尽きる兆候は?平均どのくらい?長生きの秘訣はこれ
[/box]