ボールペンって、学生の方でもお仕事をされている方でも利用する機会の多いものですよね。
ワイシャツの胸ポケットにボールペンのペン先をうっかり出しっぱなしにして入れてしまった。乾いたと思っていたインクがまだ乾いていなくて袖にすれてしまったなどなど、経験ありませんか?
いつの間にかついてしまうことが意外と多い汚れ。少しついているだけなのにわざわざクリーニングに出すのも、もったいないですよね。
自宅で落とせるものなら落としてみたい!
そこで、今回は知っておくとちょっとお得なボールペンの汚れの落とし方をご紹介します。
まず気を付けたいこと
うっかり服にボールペンのインクが付いてしまったとき、「あっ」と思ってついついインクのついた部分を近くにあるおしぼりやウェットティッシュなどでゴシゴシ擦ってしまう、なんて経験あるのでは?
実は、ほとんどの場合インクは水では取り除くことができません。むしろ悪化することも。
特に飲食店などで出てくるタオルおしぼりには、消毒のため多少の塩素が含まれており、それを使用して擦ったり生地に直接つけてしまうと生地の目を広げ傷めたり色あせの原因となることがあります。
なので、最低限擦ることはしないでください!
それから、家で染み抜きをするときは、必ず水洗いができるかどうか洗濯表示を確認してください。
この洗濯表示が「水洗い不可」のマークです。このマークがある衣類は水洗いすると縮んだり色落ちしたり毛羽立ったりするため、クリーニングに出すことが推奨されています。
ボールペンの種類と見分け方
ボールペンには、大きく分けて3つの種類のインクがあります。
油性インクと、水性インクと、ゲルインクです。
- 油性インク
→滲みに強く、耐水性に優れ、速乾性が強い。溶剤に油が使われている。
- 水性インク
→滲みやすく、乾くのに時間がかかる。
- ゲルインク
→水性インクより滲みにくく、紙に付着するとゲル状に変化する
ボールペンのインクの種類によって汚れを落とす方法が違うので、汚れを落とす前にワイシャツに着いたペンのインクの種類を確認することをオススメします。
ペン自体に「油性」「水性」「ゲル」との表記があるものもありますが、ない場合は、ペットボトルやプリンの容器などいらないプラスチック製品に何か書いて擦ってみると分かります。
- 油性ボールペン…インクが伸びず書いた内容が消えない
- 水性、ゲルインクボールペン…インクが伸びたり書いた内容が消えたりする
こういった違いが出ますので、お使いのボールペンのインクの種類が分からなければ試してみてください。
油性ボールペンの場合
おそらくお仕事をされている方は、油性ボールペンの方が使う機会が多いかと思います。
油性ボールペンは落ちにくいという印象が強いのですが、服の染み抜きは意外と簡単。
[box class=”blue_box” title=”用意するもの”]- 『手ピカジェル』などの消毒用アルコール
- 汚れてもいい布
- 歯ブラシまたはティッシュ
汚れてもいい布は、当て布として使います。染料などによるプリント柄があるとその色が服に付着してしまうので、無地のものを使用してください。ない場合はティッシュでも代用できます。
[box class=”pink_box” title=”汚れを落とす方法”]- まず、消毒用アルコールを少しだけ服につけ、繊維を傷めたり色が変化したりしないか確認する(服の繊維に変化があると逆に汚してしまうので必須)
- 服を裏返し、他の部分に溶けだしたインクが移らないよう汚れの下に用意した布を敷く
- インクに消毒用アルコールをかける
- 歯ブラシでトントンと叩いてインクを落とす
- すすいでみてインクがどれくらい落ちたか確認する(充分に落ちていなければ再度消毒用アルコールをかけ、歯ブラシで叩く作業を繰り返す)
- 消毒用アルコールをすすいで洗濯機で洗う
歯ブラシで叩く作業は、「トントン」と叩くと効果的にインクを浮かせることができます。叩かずに擦るとせっかく浮いたインクが繊維の中に入ってしまうので注意してくださいね。
これだけです。どうでしょう?簡単だと思いませんか(笑)
実は油性インクはアルコールに溶けやすい性質を持っています。
例に『手ピカジェル』を挙げたのは、『手ピカジェル』に含まれているアルコール成分が油分を浮き上がらせつつ、粘度のあるジェルがインクの成分を密着して落としてくれるから。
水彩絵の具、靴クリーム、朱肉など幅広く効果があるようですので、持っておくと便利かもしれませんね!
消毒用アルコールは、なければ除光液でも代用できますが、成分にプロピレングリコールが含まれているものを使用しましょう。
このプロピレングリコールが水と油を混ざりやすくする性質を持っていますので、この成分を含んでいない除光液を使っても効果がありませんので注意してください!
どちらもなければクレンジングオイルでも代用可能です。特にオレンジオイル配合のものが効果的です。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]染み抜きの後の洗濯は、時間を空けてしまうと輪染みになって跡が残ってしまうのでできるだけ早く行いましょうね。[/voice]
水性、ゲルインクボールペンの場合
水性インクやゲルインクは水になじみやすいので落としやすいように思えますが、実は水になじみやすいのは”乾く前”のこと。一度固まると何にも溶けにくくなってしまいます。
乾いてしまうと非常に厄介な汚れになるわけです。
[box class=”blue_box” title=”用意するもの”]- 食器用中性洗剤
- 汚れてもいい布
- 歯ブラシまたはティッシュ
- (どうしても汚れが落ちなかった場合)酸素系漂白剤
性質上、油性ボールペンのように消毒用アルコールを使っても汚れは浮きません。
そこで、使うのは食器用中性洗剤になります。
用意する布は油性ボールペンのときに用意するものと同じく当て布を使いますので、無地で染料などでのプリント柄のないものが好ましいです。
[box class=”pink_box” title=”汚れを落とす方法”]- 服を裏返し、インク汚れの部分の下に用意した布を敷く
- インクに食器用中性洗剤をかけ、なじませる
- 歯ブラシでトントンと叩いてインクを落とす
- すすいでみてインクがどれくらい落ちたか確認する
- どうしても汚れが落ちなければ、40~50℃のぬるま湯に酸素系漂白剤を混ぜ、5~30分つけておく(漂白剤は洗濯で使用する半分ほどの量でOK)
- すすいで洗濯機で洗う
手順は大体油性ボールペンのときと同じです。ただ、この染み抜きでもやっぱり目立たなくなるくらい薄くなる、という効果しか望めないこともあります。
インクがついて時間が経つと落としにくくなりますので、なるべく早く染み抜きしましょう。
漂白剤をお持ちの方は、還元系漂白剤でも良いかと思います。ただし、還元系漂白剤を使用する場合ワイシャツは白色無地のものでないと色落ちしますのでご注意を!
外出先での応急処置
どんな汚れでもそうなのですが、汚れは時間と共に酸化・変質を繰り返し、服の繊維に染み込んでいってしまうものです。
ワイシャツの素材やインクの種類などによっても様々ですが、処置は早ければ早いほど汚れが落ちる可能性が高くなります。
ですが、外出中にそんなに都合よく汚れを落とすグッズが手元にある状況なんて稀ですよね…。
持ち歩いている鞄の中に常に消毒用アルコールや、ましてや食器用洗剤なんて入れている人は少数派でしょう。
なので、少しでも汚れを落としやすくするための応急処置についてご紹介します!
油性インクの場合
油性インクの場合、インクがついたばかりの時は服の繊維の上にインクの汚れが乗っている状態になっています。
充分な道具がないときは、乾いた布、もしくはティッシュなどを汚れた部分を摘まむように当て、汚れを浮かせておきましょう。
水で濡らしたり擦ったりすると汚れが繊維に染み込みますので要注意です。
水性、ゲルインクの場合
水性、ゲルインクの場合、まず、服のインクで汚れた部分の裏に布やティッシュを敷きます。
そこに濡らしてからよく絞った布やティッシュで上から叩きます。
叩くことでインクが浮き、汚れが布やティッシュに移りますので、汚れが移らなくなるまで作業を続けましょう。
まだ乾いていない水性、ゲルインクの汚れは水になじみやすいので、必ず使用する布やティッシュは濡らし、擦らないよう注意してくださいね。
[voice icon=”http://yosiaa.com/wp/wp-content/uploads/2018/10/nigaoemaker-6.png” name=”かな” type=”r”]どちらの方法もあくまで応急処置。帰宅後はできるだけ早く染み抜きをして洗濯しましょう![/voice]まとめ
いかがでしたでしょうか?
インクの種類によって使うものを変えないといけないなんて知りませんでした。
とりあえず濡らしたハンカチを当てておけばいいのかと…その方法が逆効果になることもあるとは。
[box class=”pink_box” title=”ボールペンのインク汚れを落とすときの注意点”]- 絶対に擦らない
- 水洗いできるか洗濯表示を確認する
- ボールペンのインクの種類を確認する
- 油性インクは『手ピカジェル』などの消毒用アルコールやプロピレングリコールを含む除光液、クレンジングオイルが効果的
- 水性、ゲルインクは食器用中性洗剤で落とし、それでも落ちない場合は酸素系漂白剤につけるのが効果的
- 当て布は無地のものを準備する
- 汚れ部分はトントンと叩いて落とす
- 染み抜き後はできるだけ早く洗濯機で洗濯する
- 油性インクは乾いた布やティッシュで摘まみ汚れを落とす
- 水性、ゲルインクは濡れた布やティッシュで叩いて汚れを落とす
普通に洗濯しただけでは落ちないボールペンのインク汚れも、ひと手間加えるだけでもずいぶん違うものですね。
ちょっと染み抜きするだけでクリーニングに持って行かなくて良くなるのはありがたい。
やっぱり衣類についた汚れは時間との勝負。早め早めに対処できるよう覚えておくと便利ですよね。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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